整体師になろう! かかる費用は一体どれくらい?

整体師になろう! かかる費用は一体どれくらい?
整体師になって体の痛みに苦しんでいる人をたくさん助けたい。整体師になって人に喜ばれる仕事をしたい。整体師になって独立して自分の力ひとつで食べていけるようになりたい!
 
など整体師を目指す動機はさまざまですが、整体師になるには一体どれくらいの費用が必要なのでしょうか?
 
今回は整体師になるための費用についてまとめてみます。

医療系の資格を取得するには費用がかかる

医療系の資格を取得するには費用がかかる
基本的に医療系の資格を取得するには高額な費用が発生します。
 
医学部の学費が高いことは周知の事実ですが、薬剤師や看護師、理学療法士などコメディカルと呼ばれる各種の医療資格を取得するにも約500万円前後の費用が必要です。
 
整体などの治療を行っている有資格者は、柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ師の国家資格を取得している人が多く、このような療術系の資格を取るにも同じように500万円前後の費用が必要で、これが医療系学費の相場です。

整体師という資格の医療業界での位置づけ

整体師という資格の医療業界での位置づけ
では整体師は医療業界においてどのような立ち位置の資格なのでしょうか?
 
実は知らない人も多いですが、整体師という資格はありません。いわゆる国家資格ではなく協会や団体が認定して発行するディプロマなどの民間資格になります。
 
医療業界においては国家資格以外を資格として認めていないので、整体師は医療資格に入りません。そのため整体師という名目での病院やクリニックへの就職は難しく、働けたとしてもリハビリ助手のような形でしか採用されません。
 
整骨院や鍼灸院などの療術系の職場では、病院で働くよりは内容のある仕事を任せてもらえますが、やはりここでも柔道整復師や鍼灸師が主役になるので、整体師として働くにはハンデがありますが、実力しだいでは患者様への整体をしっかり任せてもらえる環境です。

整体師になるためにかかる費用は?

整体師になるためにかかる費用は?
整体師になるためにかかる費用はピンキリです。
 
前にも記述したように整体師は国家資格ではないため、学費は他の医療系資格よりもかなり安いです。国家資格ではなくとも他の医療系専門学校のように通学して、しっかり基礎医学から勉強させてくれる整体師の学校もあります。
 
あなたが整体師を目指すとき、どのような形で整体を学ぶかによって費用は大きく変動します。
 
費用が高いほど必ずしも質が高いとは限りませんが、やはり安すぎる費用で整体を学ぶと内容が薄かったり技術の習得が追いつかないケースが多いので注意が必要です。

もっとも安い費用で整体師を目指す

もっとも安い費用で整体師を目指す
あまりオススメできる方法ではありませんが、整体師は国家資格ではないため極端な話をすると「今から私は整体師です」と名乗ってしまえばそれで整体師になってしまいます。もちろん費用はかかりませんが、これで整体師として仕事ができるほど療術業界も甘くはありません。
 
もっとも安い方法で整体師を目指す方法としては、整体院に弟子入りして先生から知識や技術を学ぶ方法です。昔で言う丁稚奉公のような感じになりますが、場合によっては少しの手当を貰いながら、助手として手伝いながら整体を学ぶこともできます。
 
費用が安いメリットはありますが、デメリットとしてはその整体院の院長のカラーにかなり染まってしまうことです。
 
下地となる知識がない素人がいきなり整体院に弟子入りすると、院長の言うことを疑うことなく吸収しすぎて整体師として偏ってしまう危険性があるので、安いからといって安易にこの手段を選ぶことは好ましくありません。

少し費用がかかる方法で整体師を目指す

少し費用がかかる方法で整体師を目指す
国家資格でなくとも専門学校のように通学制度のある整体師養成所に入学する方法です。通学の期間は1年から3年のものまで幅広くあります。
 
これは整体師という資格が厚生労働省の認可を受けない民間資格であるため、国から必修科目が指定されておらず、その学校の運営者が整体師になるために必要だと思う科目に内容が絞られるため、通学期間がそれぞれの学校によって違ってしまいます。
 
整体師は人の体に施術することで報酬をいただく仕事ですから、国家資格ではないにしてもしっかり解剖学や生理学などの医療系必須の科目は、最低でも取得しておく必要があります。もし整体師の養成学校に通うことを検討しているなら、その学校のカリキュラムを確認してください。
 
基礎医学と呼ばれる科目が充実しているか? 実技の授業も充実しているか? また学校によってはインターン制度を設けており、付属の整体院や卒業生の開業している整体院に実習で入ることができます。
 
整体師が国家資格でないからこそ、国家資格を取得する学校のレベルに近い内容で勉強さえてもらえる環境を選ぶべきです。最近では通信教育での整体師養成講座のようなものもありますが、医学の勉強はひとりでコツコツできるほど簡単なものではありません。
 
費用が安いからといって通信教育で勉強を済ませようという安易な考え方で整体師になるのは辞めておきましょう。
 

高額費用をかけて整体師を目指す

高額費用をかけて整体師を目指す
もっとも高額な費用をかけて整体師を目指す方法は、柔道整復師や鍼灸師などの国家資格を取得した上で整体師になることです。整体をするだけなら今のところ法律上は国家資格が必要ではありません。
 
しかし、医療系の国家資格を持った施術者が整体をしてくれることは、患者様にとって大きな安心につながります。国家資格を持った人が必ずしも腕が一流で整体が上手ではありませんが、医療系の国家試験に合格しているという信頼的アドバンテージを得ることができます。
 
最近では整骨院なども国からの医療費削減の煽りをうけて、保険治療での院の運営が難しくなり、実費診療となる整体治療を積極的に取り入れています。
 
また柔道整復師になったにも関わらず、最初から保険診療には目もくれず整体一本で治療院を開業する先生も増えています。
 
鍼灸師においても鍼灸治療のみならず、整体も施術メニューに加えることで鍼灸院の治療に幅を持たせる先生も増えています。
 
費用は高額になりますが整体を仕事とするうえで、自分にとっても患者様にとっても安心につながる方法が国家資格を取った上で整体師になる方法であり、医療費削減の影響により保険診療が難しくなり、今後はこのパターンの整体師がもっとも増えることが見込まれます。
 

まとめ

まとめ
今回は整体師になるための費用についてまとめてみました。整体師という資格が国家資格ではないが故に、選んだ方法や学校によってかかる費用に大きな差が生じます。
 
実はずいぶん昔ですが、整体師が国家資格になる一歩手前まで話が進んだことがあります。
 
按摩マッサージ師とカイロプラクティックなど整体全般の統合により「手技療法師」という国家資格を作る流れで国会議員も含めて行われ、あとは厚生労働省の判子ひとつで決定だったのですが最終的に頓挫してしまいました。
 
裏話を聞くとやはり利権絡みだそうですが、整体師が国家資格になることで得をする人、損をする人があり、その損をする人の妨害工作で立ち消えになりました。もう今後は整体師が国家資格にという話は難しいかもしれません。
 
そのため残念ながら誰でも整体師になろうと思えばその時になれてしまいます。
 
しかし、整体師として患者様としっかり向き合い、施術を通じて患者様を幸せにしたいという想いがあれば、国家資格まで取れればベストですが、そうでなくてもそれに近いレベルの学校に通ったり、弟子入りするのであれば師匠の整体師としての質を見極めて基礎から時間をかけて学ぶことが大切になります。
 
また、整体師になるまでの費用だけを考えるのではなく、整体師になってからも費用をかけて学ぶ必要があります。
 
整体師の仕事は他の商売のように仕入れがありませんが、しいて言えば技術が仕入れになります。
 
新しい技術や知識を学び、様々な症状に対応できる整体師を目指すなら勉強に終わりはありません。整体師になるにも、整体師であり続けるにも費用を惜しまない心構えが必要です。