
「経営者のためのHP作成講座」、第2回目のテーマは、経営者の皆さんが最も気になっている「ホームページ作成の費用」についてです。
前回(第1回)では、「なぜホームページが必要なのか?」という目的設定の重要性についてお話ししました。しかし、いざ制作会社に見積もりを取ろうとすると、「なぜ会社によってこれほど費用が違うのか?」と頭を悩ませる方も少なくありません。
その答えは、ホームページ作成が「オーダーメイド」に近い性質を持つからです。実は、ホームページの費用は主に4つの基本要素の組み合わせで決まります。
この記事では、その費用を左右する【要素1】目的、【要素2】規模・機能、【要素3】依頼先、【要素4】デザインについて、それぞれ詳しく解説していきます。
さらに2025年現在、AIが制作を手伝うツールが登場して費用が下がっている一方で、人件費高騰でプロに頼む費用は上がるなど、選択肢の二極化が進んでいます。特に初めてホームページを作る経営者様にとっては、最適な判断がより難しくなっています。
【この記事で分かること】
- ホームページ作成費用が決まる「4つの基本要素」のすべて
- AIの台頭や費用高騰も踏まえた、目的別・依頼先別の具体的な費用相場
- 見積書に書かれている「ディレクション費」などの内訳の意味
- ホームページ完成後にかかる「維持・運用費用」まで含めた総コスト
- 予算内で最大限の効果を出すための、賢いコストの抑え方
この講座を読めば、その複雑に見える費用の仕組みが明確に理解でき、自社のホームページの目的に合った適切な予算を判断できるようになります。ホームページ作成の費用に関するあらゆる疑問を、ここで解決しましょう。
ホームページ作成費用の全体像まるわかり早見表
まずは、この記事の結論とも言える全体像を一枚の早見表にまとめました。ホームページ作成の費用は、「目的」「規模」「依頼先」の組み合わせで、月々数千円から数百万円まで大きく変動します。ざっくりとした相場観を掴んでみてください。
| 目的 | 規模・ページ数 (目安) |
依頼先の選択肢 | 費用相場 (初期費用+月額) |
|---|---|---|---|
| 情報発信型 (名刺代わり・会社案内) |
小規模 (最大10ページ程度) |
1.自社で作成(ツール利用) 2.フリーランス 3.制作会社 4.サポート付きサービス |
1.月額数千円~ 2.10万~50万円 3.50万~150万円 4.初期5万円台~+月額 |
| 集客型 (問い合わせ・資料請求) |
中規模 (10~30ページ程度) |
1.自社で作成(ツール利用) 2.フリーランス 3.制作会社 4.サポート付きサービス |
1.月額数千円~ 2.30万~80万円 3.80万~300万円 4.初期5万円台~+月額 |
| 販売型 (ネットショップ) |
小~大規模 (商品数による) |
1.自社で作成(*ASP利用) 2.フリーランス 3.制作会社 |
1.月額数千円~ 2.30万~100万円 3.100万円~ |
※ASP:専門知識がなくても、すぐにネットショップを開設できるサービスのことです。(例:BASE、STORESなど)
この早見表にある通り、費用は「目的」「規模」「依頼先」などによって大きく変わります。さらにテンプレートかオリジナルか、デザインの要素も価格に関連してきます。
次章からは、この費用の差の理由となる「4つの基本要素」について、一つひとつ詳しく解説していきます。 なぜ価格に幅があるのか、自分のホームページの場合はどれを選ぶべきかを判断する参考にしてください。
【要素1】目的別の費用相場(会社案内・採用サイトなど)

結論から言うと、費用の方向性を決める最も重要な要素が「目的」です。
なぜなら、目的によって必要なページや機能、デザインの作り込み具合が全く変わってくるからです。最初にここを明確にしなければ、不要な機能に費用をかけてしまったり、逆に安く作れても目的を達成できない、といった失敗の原因になります。
では、ホームページを作ることで、具体的に何を達成したいでしょうか?
例えば、以下のような目的が考えられます。
「まずは会社の信頼性を担保したい」
「地域の見込み客から問い合わせが欲しい」
「こだわりの商品を全国に届けたい」
それでは、こうしたホームページの目的ごとのサイト種類と、その費用感を見ていきましょう。
コーポレートサイト(会社案内):30万~80万円程度

企業の信頼性向上を目的とした、最も基本的なサイトです。「名刺代わり」として、取引先や顧客、求職者に対し「しっかりした会社である」という印象を与えるために使われます。
- 主なページ構成
トップページ、会社概要、事業(サービス)紹介、お知らせ(簡易ブログ)、お問い合わせフォームなど、5〜10ページ程度が一般的です。
- 価格帯の違い
30万円前後の場合は、デザインテンプレートを使用し、テキストや写真をお客様(自社)でご用意いただくことが多いです。80万円前後になると、トップページをオリジナルデザインにしたり、プロのカメラマンによる写真撮影や、CMS(更新システム)の組み込み、基本的なSEO対策(検索エンジン最適化)まで含まれることが多くなります。
採用サイト:30万~100万円程度

求職者に特化し、「この会社で働きたい」という動機付けを促すためのサイトです。求人媒体だけでは伝わらない、企業の理念や文化、働く環境の魅力を深く伝える役割を持ちます。
- 主なページ構成
募集要項、エントリーフォームに加え、「社員インタビュー」「1日のスケジュール」「福利厚生」「キャリアパス」「社長メッセージ」など、魅力訴求のためのコンテンツが中心です。
- 価格帯の違い
30万円前後では、既存のコーポレートサイト内に数ページ追加する形が中心です。100万円規模になると、採用サイトを独立(別ドメイン)で構築し、デザインも採用ターゲットに合わせたオリジナルで作成します。特に「社員インタビュー」は、取材・ライティング・撮影まで制作会社に依頼する場合、コンテンツ制作費が費用を大きく左右します。
サービスサイト(製品・サービス紹介):50万~150万円程度

特定の製品やサービスの魅力を深く掘り下げて紹介し、最終的に「問い合わせ」や「資料請求」といった具体的な行動(コンバージョン)を獲得することに特化したサイトです。
- 主なページ構成
サービスの強み・特徴、導入事例(お客様の声)、ご利用の流れ、料金プラン、よくある質問、資料請求フォームなどが含まれます。
- 価格帯の違い
コーポレートサイトと異なり、「どう見せるか」というデザインやマーケティングの戦略性が強く求められるため、費用が高くなる傾向があります。
150万円規模になると、競合分析に基づいた訴求の設計、コンバージョン(成約)を高めるための導線設計、サービス内容を分かりやすく伝える図解の作成、SEOを意識した専門的なコラム記事の作成まで含まれることが多くなります。
ECサイト(ネットショップ):10万~300万円以上

商品をインターネット上で販売し、決済まで完結できるサイトです。
- 価格帯の違い(作り方による差)
・10万~30万円(*ASP利用の制作代行)
BASEやSTORES、といった専門サービス(*ASP)を利用する場合です。月額費用は数千円で済みますが、デザインや機能のカスタマイズ性は低くなります。この価格帯は、プロ(フリーランスなど)に初期設定やデザインのセットアップを依頼する場合の費用目安です。
・50万~300万円(CMS利用のオリジナル構築)
EC-CUBEやWordPress(WooCommerce)といったシステムを使い、より独自性の高いネットショップを構築する場合です。デザインの自由度が高く、機能追加も可能ですが、その分、構築費用が高くなります。
・300万円以上(完全オーダーメイドでの構築 / システム連携)
業務内容に合わせて、ゼロから専用のシステムを開発する方法です。例えば、社内の在庫管理とネットショップを自動でつなげたり、月額課金(サブスク)のような特殊な販売ルールを導入したりする場合に必要となり、費用は最も高くなります。
*ASP:専門知識がなくても、すぐにネットショップを開設できるサービスのことです。(例:BASE、STORESなど)
【要素2】規模・機能別の費用相場:どれくらいのページ数と機能が必要か?

次に費用を大きく左右するのが、サイトの「規模(ページ数)」と「機能」です。
当然ながら、ページ数が多ければ多いほど、制作に必要な時間と手間が増えるため、費用は上がります。多くの場合、初めてホームページを作る際は、10ページ前後の小規模サイトから作成するのが一般的です。
サイト規模別の費用相場(目安)
| サイト規模 | ページ数(目安) | 費用相場(初期費用の目安) |
|---|---|---|
| LP(ランディングページ) | 1ページ | 10万円~ |
| 小規模サイト | ~10ページ | 30万円~80万円程度 |
| 中規模サイト | 10~30ページ | 80万円~150万円程度 |
| 大規模サイト | 30ページ~ | 150万円~ |
さらに、以下のような特殊な「機能」を追加する場合、費用が上乗せされることになります。
主な追加機能と費用相場(目安)
- 資料請求フォーム(2万円~5万円程度)
お客さまが名前や住所を入力して、資料を請求できる入力欄のことです。単純なフォームは制作費に含まれることも多いですが、「自動返信メール機能」や「特定の担当者への通知」など要件が複雑になると費用が発生します。
- CMS(更新システム)の導入(5万円~20万円程度)
専門知識がなくても、自社で「お知らせ」や「ブログ」「施工実績」などを簡単に更新できるようにするシステムです。WordPress(ワードプレス)の導入が代表的です。
- 予約機能(5万円~30万円以上)
飲食店やサロン、クリニックなどがWEBサイト上から直接予約を受け付ける機能です。外部の安価な予約システム(例:Airリザーブなど)を導入する場合は数万円で済みますが、独自の空き状況カレンダーなどと連動させる場合は高額になります。
- 会員専用ページ(10万円~50万円以上)
特定の会員だけがIDとパスワードでログインし、閲覧できる特別なページを作成する機能です。限定コンテンツの配信や、顧客への特別な情報提供に使われます。
- 多言語対応(1ページあたり3万円~ + 翻訳費用)
日本語の他に、英語や中国語など、複数の言語でサイトを表示させる機能です。ページ数や言語数に応じて費用が加算されます。
これらの機能は、あくまで一例です。 機能を追加すれば当然ながら費用は上がります。大切なのは、その機能が「ホームページの目的(例:問い合わせを増やす、業務を効率化する)の達成に本当に必要か?」を見極めることです。
【要素3】依頼先別の費用相場(自作・フリーランス・制作会社)
目的、規模が決まったら、次に「誰と、どうやって作るか」を選びます。 この依頼先の選択が、費用に最も大きな影響を与えると言っても過言ではありません。
近年のトレンドも踏まえ、主な4つの選択肢を比較してみましょう。
選択肢.A:作成ツールを使い「自社」で作る(月額:数千円~)

メリットは、費用を最小限に抑えられる点です。デメリットは、本業の時間を圧迫することや、集客まで手が回らないことが多い点です。
【2025年のトレンドとAI活用ツールの登場】
近年、この「自社で作る」ハードルは、AIを活用した作成ツールの登場で大きく下がっています。これらは「AI搭載ノーコードツール」とも呼ばれ、専門知識がなくてもホームページが作れるのが特徴です。代表的なサービスとしては、Wix(ウィックス)やジンドゥーなどがAI機能の搭載を急速に進めています。
【AIができることの例】
1. 文章の自動生成
いくつかのキーワードを伝えるだけで、事業内容やサービス紹介の文章のたたき台を自動で作成してくれます。
2. デザイン案の提案
会社の業種や好みの雰囲気を伝えるだけで、AIが最適なレイアウトや配色パターンをいくつか提案してくれます。(例:Wix.ジンドゥー など)
3. 画像の選定
ページの雰囲気に合った画像をAIが自動で選んで配置してくれる機能もあります。
このように、AIは強力なアシスタントになりますが、注意点もあります。
AIが作成した文章は、あくまで「たたき台」です。自社の本当の強みや、お客さまの心に響く言葉を盛り込むためには、経営者さまご自身による最終的な調整が不可欠です。
また、作ったホームページにお客さまを呼び込むための集客戦略(SEO対策など)は、やはり自社で考える必要があります。
選択肢.B:「専門家(フリーランス)」に依頼する(初期費用10万円~50万円)

個人で活動しているWEBデザイナーやエンジニアに直接依頼する方法です。
メリットは、制作会社より安く、小回りの利く柔軟な対応が期待できる点にあります。
デメリットは、スキルや品質がその人の腕に左右されること、また万が一廃業してしまった場合、連絡が取れなくなるリスクも考えられます。
【こんな経営者さまにおすすめ】
「コストは抑えたいが、自分で作る時間はない」「特定のデザインだけをお願いしたい」といった場合に適しています。
選択肢.C:「制作会社」にまとめて依頼する(初期費用:50万円~300万円以上)

ホームページ制作を専門とする会社に、戦略設計からデザイン、開発、公開まで一括で依頼する方法です。メリットは、各分野の専門家がチームで対応してくれるため品質が高く、戦略から運用まで任せられる安心感です。
デメリットは、費用が最も高額になる点です。
【2025年のトレンド】
人件費や専門スキルの高騰により、数年前に比べて費用相場はさらに上昇傾向にあります。小規模なサイト制作でも50万〜150万円が中心です。
【こんな経営者さまにおすすめ】
「集客やブランディングまで含めて、専門家チームに丸ごと任せたい」「絶対に失敗できないプロジェクト」の場合に適しています。
選択肢.D:「専門家のサポート付きサービス」で作る(初期5万円台~+月額)

これまでの選択肢を見て、経営者さまはこんな風に感じたかもしれません。
「自分で作る時間はないし、集客できる自信もない…」
「フリーランスは当たり外れが怖いし、制作会社は高すぎる…」
そんな、「費用は抑えたい、でも品質や集客、公開後のサポートもしっかりしてほしい」という、初めてホームページを作る経営者さまの切実な悩みを解決できるのが、この第4の選択肢です。これは、「ツールで自作」の手軽さと、「プロに依頼」の安心感を両立した、まさに「いいとこ取り」のサービスといえます。
ホームページ作成の本当の目的は、作ることではなく、作った後にお客さまを集め、事業を成長させることです。例えば【あきばれホームページ】では、費用を抑えつつ、その最も重要な「集客」の部分を、経験豊富な専門家がサポートしています。
【要素4】デザイン別の費用:テンプレートか、オリジナルか?

どう作るかも費用に大きく影響します。これは「テンプレート」か「オリジナル」かで費用が数倍変わることもあります。
テンプレートデザイン(3万~10万円程度)
あらかじめプロが作ったデザインの雛形(ひながた)を利用する方法です。
- メリット
費用を大幅に抑えられ、制作期間も短縮できます。プロが設計した「型」を使うため、信頼感のある見た目をすぐに作れるのが魅力です。
- デメリット
デザインが他社と似てしまう可能性があり、レイアウトや機能の自由なカスタマイズは難しい場合があります。
- こんな場合におすすめ
「まずは名刺代わりのサイトが欲しい」「費用とスピードを最優先したい」という場合に最適です。初めてホームページを作成する場合、多くはこちらからスタートします。
オリジナルデザイン(20万~100万円以上)
デザイナーがゼロから、あなたの会社の理念やターゲットのお客さまに合わせて設計する方法です。
- メリット
唯一無二のブランドイメージを構築し、競合と強力に差別化できるのが最大のメリットです。また、自社の強みやサービス内容に合わせて、訪問者が問い合わせしやすい「導線」を戦略的に設計できます。
- デメリット
設計からデザイン作成まで行うため、費用が高額になり、制作期間も長くなります。
- 価格帯の差
20万円程度の場合は「トップページのみオリジナル」、100万円以上になると「全ページをオリジナル」で作成するなど、デザインを適用する範囲によっても費用は変動します。
- こんな場合におすすめ
「ブランディングを重視したい」「デザインで競合と差をつけたい」「サービスサイトや採用サイトで、訪問者の心を動かし成約率を高めたい」といった場合に適しています。
以上が、ホームページ作成費用を左右する4つ目の基本要素「デザイン」の違いです。
これまで見てきた【要素1】目的、【要素2】規模、【要素3】依頼先、そしてこの【要素4】デザインをどう組み合わせるかで、最終的な費用が決まります。
次章では、これらの費用が制作会社から提示される「見積書」に、具体的にどのような項目で記載されているのか、その「内訳」を詳しく見ていきましょう。
ホームページ制作費用の見積もり内訳(ディレクション費・デザイン費等)

制作会社から提示される見積書を正しく理解するために、一般的に含まれる費用の内訳を知っておきましょう。
家づくりに例えるなら、設計図があり、大工さんがいて、内装を整える職人さんがいるように、ホームページ作りにも様々な役割分担があります。その役割ごとの人件費や作業費が、見積もり項目となっているのです。
ディレクション費用(5万円~20万円程度)
これは、プロジェクト全体の進行管理を担う「監督」役にかかる費用です。家づくりの現場監督のように、デザイナーやエンジニアといった専門家たちをまとめ、スケジュール通りに品質の高いホームページが完成するよう舵取りをします。経営者さまのご要望を正しく現場に伝え、プロジェクトが迷走しないための重要な「保険」とも言える費用です。
デザイン費用(トップページで5万円~20万円程度)
サイトの見た目、つまりレイアウトや配色、画像の選定などを設計する費用がこちらです。単に綺麗に飾るだけでなく、お客さまが「見やすい」「使いやすい」と感じ、目的の情報に迷わずたどり着けるような設計が求められます。特にサイトの顔となるトップページは、他のページよりも費用が高くなるのが一般的です。
コーディング費用(トップページで1万円~10万円程度)
デザイナーが作成したデザイン案を、パソコンやスマートフォンで実際に表示・操作できるように、専門の言語(HTMLやCSSなど)でプログラムを組んでいく技術的な作業費用です。この作業の品質が、ページの表示速度や、検索エンジンからの評価にも影響を与えます。
コンテンツ制作費用(最大50万円程度)
ホームページに掲載する文章の作成(ライティング)や、写真・動画の撮影などにかかる費用です。自社で文章や写真を用意できれば、この費用は大きく抑えることが可能です。しかし、プロのライターに依頼すればより訴求力の高い文章に、プロのカメラマンに依頼すれば商品の魅力が伝わる写真になり、結果として売上につながることも少なくありません。
システム構築費用
お問い合わせフォームやCMS(更新システム)の導入など、特殊な機能を開発・実装するための費用です。例えば、物件検索システムや、複雑なシミュレーション機能などがこれにあたります。簡単なものであれば数万円から可能ですが、システムの複雑さによって費用は大きく変わります。
これらが、見積書に記載される主な「初期費用(制作費)」の内訳です。
しかし、ホームページは作って終わりではありません。車にガソリン代や駐車場代がかかるのと同じで、ホームページも公開し続けるためには費用がかかります。
次章では、このホームページ完成後に必要となる「維持費・運用費」について詳しく見ていきましょう。
ホームページ作成後にかかる「維持費・運用費」

重要なことですが、ホームページは作って終わりではありません。 公開後も、安全に運営していくための「維持費」が継続的に発生します。これは、お店の家賃や光熱費のようなものだとイメージすると分かりやすいでしょう。
これらの費用を怠ると、ある日突然ホームページが表示されなくなったり、セキュリティ上の問題が発生したりする可能性があるため、必ず予算に含めておく必要があります。
レンタルサーバー代(月額数百円~数千円)
WEBサイトのデータ(テキストや画像など)を保管しておくための、インターネット上の「土地代」です。サーバーの性能や容量によって価格は変動します。
ドメイン代(年間1,000円~8,000円程度)
「〇〇.com」のようなWEBサイトの「住所」を維持するための年間使用料になります。ドメインは一年ごとに更新が必要なため、支払い忘れには注意しましょう。
SSL費用(無料~年間10万円程度)
サイト訪問者とサーバー間の通信を暗号化し、セキュリティを高めるための費用です。URLが「http://」ではなく「https://」で始まるサイトは、このSSLが導入されている証拠です。今や企業の信頼性を示す上で必須の対応と言えます。
保守管理費用(月額5,000円~3万円程度)
ホームページを安全な状態に保つための「保険」や「警備」のような費用です。具体的には、システムの定期的な更新(アップデート)、データのバックアップ、セキュリティ対策などを制作会社に依頼する場合にかかります。専門知識が必要な部分をプロに任せることで、安心して事業に専念できます。
これらが、ホームページ公開後に継続してかかる主な維持費用です。
ここまでで、ホームページ作成に必要な「初期費用(見積もり内訳)」と「維持費用」の全体像が見えてきたかと思います。
次章では、これらの費用を予算内で最大限の効果を出すために、「賢く抑えるためのポイント」を具体的にご紹介します。
ホームページ作成費用を賢く抑える6つのポイント(補助金・相見積もり)

最後に、予算内で最大限の効果を発揮するホームページを制作するために、経営者さまにぜひ実践してほしいポイントを6つご紹介します。
ポイント.1:補助金を活用する
「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」など、国や自治体の制度を積極的に調べましょう。ホームページ作成費用の多くを補助してもらえる可能性があります。
ポイント.2:絶対に譲れない機能をひとつに絞り込む
あれもこれもと機能を盛り込むと、費用はどんどん膨れ上がってしまいます。「このサイトで絶対に達成したいこと」をひとつだけ定め、まずは小さく始めて、段階的にサイトを成長させる視点がコスト削減につながります。
ポイント.3:CMSやテンプレートを活用する
デザインに強いこだわりがない場合や、自社で頻繁に情報更新を行いたい場合は、テンプレートデザインやCMSの活用が非常に有効です。オリジナルで開発する部分を減らすことで、初期費用を大幅に削減できます。
ポイント.4:原稿や写真は自社で用意する
見積もりの中で意外と大きな割合を占めるのが、サイトに掲載する文章や写真を用意する「コンテンツ制作費用」です。プロのライターやカメラマンに依頼すれば品質は上がりますが、その分費用もかかります。自社の強みや想いを最もよく知る経営者さまご自身や社員の方で協力して原稿や写真を用意するだけで、数十万円単位のコストを削減できるケースも珍しくありません。
ポイント.5:必ず相見積もりを取り、提案内容を比較する
同じ要件でも、依頼先によって提案内容や金額は大きく異なります。最低でも2〜3社から見積もりを取り、単純な金額だけでなく、提案の質、担当者との相性、公開後のサポート体制などを総合的に比較検討することが、最適なパートナーを見つける鍵となります。
ポイント.6:更新・修正のルールを事前に決めておく
これは、公開後の予期せぬ出費を防ぐための重要なポイントです。「簡単な文章修正は月額料金に含まれるのか」「ページを1つ追加する場合の料金はいくらか」といった更新・修正のルールを、契約前に必ず確認しておきましょう。ここを曖昧にしておくと、後々「こんなはずではなかった」というトラブルの原因になりかねません。
FAQ:ホームページ作成費用のよくある質問
最後に、経営者さまからよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. ホームページ作成費用の相場と目安は?
A. 作り方(依頼先)と目的によって大きく変わります。まず、依頼先別の相場は「自作(月額数千円)」「フリーランス(10万~50万円)」「制作会社(50万~300万円)」「サポート付きサービス(初期5万円台+月額)」が目安です。
目的・規模別の目安では、「基本的な会社案内サイト(10P前後)で50万~150万円」、「LP(1P)で10万円~」が一般的です。
Q.2 公開後に毎月かかる費用(維持費)は?
A. サーバー代、ドメイン代(年間)、SSL費用、保守管理費(システムの更新・バックアップ等)が必ずかかります。これらを合計して、月額5,000円~3万円程度が一般的です。
Q3. いちばん安くホームページを作る方法は?
最も費用を抑える方法は、無料プランを提供しているホームページ作成ツール(例:Wix, ジンドゥー, STUDIOなど)を使って自社で作ることです。ただし、無料プランは広告が表示されたり、独自ドメインが使えないなどの制限があります。
本格的にビジネスで活用する場合は、これらのツールの有料プラン(月額数千円〜)が現実的な選択肢となりますが、ご自身の時間と手間がかかること、集客は別途ご自身で学ぶ必要がある点に注意が必要です。
Q4. 補助金を使うといくら安くなりますか?
A. 制度や採択審査によりますが、費用の1/2~3/4程度が補助されるケースが多いです(例:IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金)。ただし、申請の事務作業や要件対応が必要なため、納期には余裕を持つことをおすすめします。
Q5. ホームページが完成するまでの期間はどれくらい?
A. サイトの規模や依頼先によりますが、目安は1ヶ月~3ヶ月程度です。フリーランスや制作会社に依頼する場合、原稿や写真の準備がスムーズに進むかどうかが、納期を大きく左右します。
Q6. 見積もり以外に追加費用がかかることはありますか?
A. 契約範囲外の作業を依頼した場合に発生します。最も多いのは「公開後の修正・更新」です。例えば、「軽微なテキスト修正は保守費内だが、ページの追加は別途費用」といったケースです。トラブルを防ぐため、契約時に「どこまでが初期費用か」「何からが追加費用になるか」を書面で必ず確認しましょう
【まとめ】最適なホームページ制作は「目的の明確化」から

今回の講座では、ホームページ作成の費用相場が「目的」「規模」「依頼先」「デザイン」という4つの要素で決まることを解説しました。
さまざまな価格帯を見て「いくらが適正なのか?」と迷われるかもしれません。 しかし、最適な費用とは単なる安さではなく、「支払った金額以上に、問い合わせや売上といった事業の目的を達成してくれる、費用対効果に優れた投資額」を指します。
例えば、たとえ月額数千円のツールで自作してもお客さまが来なければ「浪費」ですが、仮に50万円の費用でもそれ以上の売上に繋がるなら、それは価値ある「投資」と言えます。
だからこそ、すべての始まりは「自社がホームページで何を達成したいのか」を徹底的に明確にすることに他なりません。この『目的設定』を最初にしっかり行うことが、無駄なコストをかけずにビジネスを成功に導くホームページを作る、最も確実な一歩となるのです。
もし、あなたが「作った後も、事業の成長を一緒に考えてくれるパートナー」を最適な費用感で探しているのであれば、【あきばれホームページ】がその答えかもしれません。
次回の講座では、「自作」「外注」「セミオーダー」といった作成方法ごとのメリット・デメリットを徹底比較し、あなたの会社に最適な選び方を分かりやすく解説します。
次回の講座はこちら






