整骨院(接骨院)開業の全手順と費用・集客

この記事では、接骨院・整骨院の開業に必要な資格・届出・資金から、開業後に患者さまを集める仕組みづくりまでを解説します。
「施術の腕には自信がある。でも、開業の手続き・資金調達・集客の全体像がつかめない」。そんな不安を抱えて検索していませんか。
実は、開業手続きを完了しただけでは患者さまは来ません。開業後に集客できる院とできない院を分けるのは、開業前から始める「集客の仕組みづくり」です。
10,000サイト以上のホームページ(HP)制作を支援してきた経験から、資格・届出・費用の全手順に加え、集客設計までを時間軸で整理します。
なお、「接骨院」と「整骨院」は法的に同じ施術所です。本記事では両方を併記します。
接骨院と整骨院の違いは名称だけ
接骨院と整骨院は、どちらも柔道整復師法に基づく施術所であり、法的に同義です。
「接骨院」は法律上の正式名称に近い表現で、「整骨院」は一般に広く使われている通称です。提供する施術内容や開業に必要な資格・届出に違いはありません。
| 名称 | 位置づけ |
|---|---|
| 接骨院 | 法律上の名称に準じた表記 |
| 整骨院 | 一般に広く使われる通称 |
本記事では「接骨院・整骨院」と併記し、どちらの名称で開業する場合にも対応できるよう解説します。
開業に必要な資格と施術管理者の要件
接骨院・整骨院を開業するには、柔道整復師の国家資格が必須です。加えて、保険診療を行う場合は施術管理者の要件を満たす必要があります。
柔道整復師免許が開業の大前提
接骨院・整骨院を開業できるのは、柔道整復師の国家資格を持つ人だけです。3年以上の養成施設(専門学校・大学)で所定の課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。
無資格で施術所を開設した場合は柔道整復師法違反となり、罰則の対象です。「整体院」は柔道整復師でなくても開業できますが、「接骨院」「整骨院」の名称は柔道整復師のみが使えます。
施術管理者には実務経験3年が必要
保険診療(受領委任)を取り扱う施術所には、施術管理者の配置が義務付けられています。令和6年度以降、施術管理者になるための要件は次のとおりです。
- 柔道整復師としての実務経験3年以上
- 施術管理者研修(16時間以上)の受講(研修費用は28,000円。実施機関は公益財団法人柔道整復研修試験財団)
この要件は段階的に引き上げられてきました。
| 適用年度 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 令和3年度 | 1年以上 |
| 令和4〜5年度 | 2年以上 |
| 令和6年度以降 | 3年以上 |
なお、保険診療を行わない完全自費の施術所であれば、施術管理者の配置は不要です。ただし、保険診療なしの経営は患者さまの来院ハードルが上がるため、開業初期の集客が難しくなるリスクがあります。開業形態を決める際に慎重に検討してください。
開業までの流れを時間軸で把握する
接骨院・整骨院の開業準備は、おおむね1年前から始まります。「いま自分がどの段階にいるか」を把握するために、3つのフェーズに分けて解説します。

1年〜6ヶ月前|事業計画と物件探し
まず取り組むのは、開業のコンセプト策定と事業計画書の作成です。
コンセプトの軸となる判断ポイントは以下の3つです。
- 保険メイン / 自費メイン / ハイブリッド: 保険診療は単価が低い(窓口負担で1回1,000〜2,000円程度)ものの、患者さまの来院ハードルは下がる。自費診療は単価が高いが集客力が必要
- テナント / 自宅 / マンション / 居抜き: テナントは立地の自由度が高い一方で家賃負担が大きい。自宅開業は低コストだが集患エリアが限られる
- 1人開業 / スタッフ雇用: 1人開業は固定費を抑えられるが、施術数に物理的な上限がある
事業計画が固まったら、物件探しに進みます。物件選定時には、柔道整復師法第20条で定められた構造設備基準を必ず確認してください。
| 基準項目 | 要件 |
|---|---|
| 施術室 | 6.6平方メートル以上 |
| 待合室 | 3.3平方メートル以上 |
| 換気窓 | 施術室面積の7分の1以上 |
| 消毒設備 | 適切な設備の設置 |
物件の契約後に設備基準を満たしていないことが判明すると、改装費が追加で発生します。内見の段階で面積と換気条件を確認するのが鉄則です。なお、基準の具体的な解釈は管轄の保健所によって異なる場合があるため、物件契約前に保健所へ事前相談することをおすすめします。
6〜3ヶ月前|資金調達と内装準備
物件が決まったら、資金調達と内装工事を並行して進めます。
融資の申込みは早めに着手してください。 日本政策金融公庫の審査には1〜2ヶ月かかるため、物件契約前後のタイミングが理想です。
このフェーズで進める主なタスクは次の4つです。
- 融資申込み: 事業計画書・見積書を揃えて申請。自己資金は開業資金全体の3分の1以上が審査通過の目安
- 内装工事の発注: 施工期間は2〜3ヶ月が一般的。構造設備基準を満たす設計を施工業者と共有する
- 医療機器の選定: 低周波治療器・超音波治療器・牽引装置など。新品にこだわらなければ中古市場で費用を抑えられる
- スタッフ採用: 雇用する場合は、受付スタッフ・施術補助者の募集を開始
3ヶ月前〜開業|届出とHP制作開始
開業直前のフェーズでは、法定届出とHP制作を進めます。
必要な届出一覧は次のとおりです。
| 届出先 | 届出名 | 期限 |
|---|---|---|
| 保健所 | 施術所開設届 | 開設後10日以内 |
| 地方厚生局 | 受領委任届出 | 保険診療を行う場合 |
| 税務署 | 開業届 | 開業から1ヶ月以内 |
| 税務署 | 青色申告承認申請書 | 開業から2ヶ月以内 |
受領委任届出は保健所の開設届とは別の手続きです。地方厚生局のほか、共済組合連盟・防衛省・労災(労働基準局)への届出も個別に必要となるため、漏れがないよう確認してください。
HPの制作は、開業の2〜3ヶ月前に着手するのが理想です。 Googleがページを認識し、検索結果に反映するまでには時間がかかります。開業日にHPが検索結果に表示されていなければ、「地域名+接骨院」で検索している方に見つけてもらえません。届出や内装工事と同時並行で進めることが、開業後の集客を左右する分岐点になります。
関連記事として、同じ治療院系の開業手順を知りたい方は鍼灸院の開業手順と費用・集客の全解説もご覧ください。
開業資金の目安と費目別の内訳
接骨院・整骨院の開業資金は、テナント開業で500万〜1,000万円、自宅開業で100万〜300万円が目安です。
テナント開業は500万〜1,000万円が目安
テナントを借りて開業する場合の費目別内訳は次のとおりです。
| 費目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 物件取得費(敷金・礼金・仲介料) | 100万〜200万円 |
| 内装工事 | 200万〜500万円 |
| 医療機器 | 100万〜300万円 |
| 備品・消耗品 | 30万〜50万円 |
| 運転資金(3ヶ月分) | 100万〜200万円 |
| HP制作費 | 5万〜10万円 |
内装費を大幅に抑える方法として、居抜き物件の活用があります。前のテナントが同業種であれば、施術ベッドや受付カウンターをそのまま引き継げるケースもあります。
自宅開業なら初期費用を大幅に抑えられる
自宅の一部を施術所にする場合、物件取得費がゼロになるため初期費用は100万〜300万円に収まります。
| 費目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 内装工事(改装費) | 50万〜150万円 |
| 医療機器 | 50万〜100万円 |
| 備品・消耗品 | 20万〜30万円 |
| 運転資金(3ヶ月分) | 50万〜100万円 |
| HP制作費 | 5万〜10万円 |
ただし、自宅開業には立地の制約があります。駅や住宅街の動線から離れた場所では新規の患者さまが来院しにくく、HPやウェブ集客の重要度がテナント開業以上に高くなります。
治療院のHP制作費用の相場を詳しく知りたい方は、治療院HPの制作費用相場を参考にしてください。
公庫融資と補助金で資金を調達する方法
開業資金の全額を自己資金で賄える人は少数です。代表的な資金調達方法は以下の3つです。
- 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金: 開業時および事業開始後おおむね7年以内の方は、原則として無担保・無保証人で利用可能。融資限度額は最大7,200万円。審査には1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です(詳細は公庫に直接ご確認ください)。自己資金は開業費用全体の3分の1以上が目安
- 小規模事業者持続化補助金: 販路開拓(チラシ・HP制作等)の費用に対して最大50万円(一般型)の補助。年に複数回公募があります(補助額・公募回数は年度によって変わるため、最新情報は中小企業庁のサイトでご確認ください)
- 自治体の創業支援制度: 都道府県・市区町村ごとに独自の融資制度や利子補給がある。開業予定地の自治体に確認を
融資審査では「事業計画書の具体性」と「自己資金の割合」が重視されます。計画書には「開業後の集客方法」まで書くことで、審査担当者に事業の実現性が伝わりやすくなります。
開業前に知っておくべき広告規制
接骨院・整骨院の広告には、法律による明確な制限があります。知らずに違反すると罰則の対象になるため、開業前に必ず把握しておきましょう。
柔道整復師法が定める広告の制限
柔道整復師法第24条により、接骨院・整骨院が広告できる事項は限定列挙されています。
広告が認められている事項は次のとおりです。
- 柔道整復師である旨、氏名、住所
- 施術所の名称、電話番号、所在地
- 施術日、施術時間
- その他厚生労働大臣が指定する事項
これ以外の事項、たとえば施術方法の優位性、「治る」等の効果保証、経歴の誇張などは広告禁止です。違反した場合は30万円以下の罰金が科される可能性があります(柔道整復師法第30条)。
| HPに書ける内容の例 | HPに書けない内容の例 |
|---|---|
| 施術所名・住所・電話番号 | 施術方法の優位性の主張 |
| 柔道整復師である旨 | 「必ず治る」等の効果保証 |
| 施術日・施術時間 | 経歴・受賞歴の誇張 |
2025年策定の新ガイドラインの要点
2025年2月、厚生労働省は「あはき・柔整広告ガイドライン」を公表しました(正式名称: あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針)。
このガイドラインの重要なポイントは以下の3点です。
- HPが広告規制の対象になりうる基準の明確化: 「誘引性」「特定性」「認知性」の3条件を全て満たす場合、HPの記載内容も広告規制の対象となる
- 禁止表現の具体例の提示: 「必ず治る」「奇跡の回復」等の効果断定、「地域No.1」等の根拠のない優良性アピール、「各種保険対応」等の誤解を招く保険表現が明示的に禁止
- 体験談・口コミの取扱い: 効果を断定する内容の掲載には注意が必要
法律とガイドラインの違いに注意が必要です。 柔道整復師法第24条は法律であり、違反すれば直接罰則が適用されます。一方、ガイドラインは行政指導であり、直接の罰則規定はありません。
ただし、ガイドラインに反する広告は保健所からの指導・改善命令の対象となり、悪質な場合は法律違反として処分される可能性があります。
開業時にHPを制作する際は、掲載内容がこれらの規制に適合しているかを確認することが重要です。
開業後に患者さまが来る集客の仕組み
開業の手続き・届出・内装が完了しても、それだけでは患者さまは来ません。集客の仕組みがなければ、技術がどれほど優れていても経営は成り立ちません。これが、10,000サイト以上のHP制作を支援してきた中で一貫して見えてきた事実です。
チラシ・ポータル・HPの使い分け
開業後の集客チャネルは大きく3つあります。それぞれの特性を理解し、組み合わせて使うことが重要です。
| 集客チャネル | 初期コスト | 継続コスト | 自院でのコントロール |
|---|---|---|---|
| チラシ | 低 | 高(配布のたびに費用発生) | 難しい(反応が読めない) |
| ポータルサイト | 低〜中 | 高(月額掲載費) | 難しい(掲載条件に依存) |
| 自院HP | 低〜中 | 低(月額数千円〜) | 可能(自分で更新・改善) |
開業直後はチラシとポータルサイトで即効性を確保しつつ、HPを並行して育てる「ハイブリッド戦略」が現実的です。
チラシは開業の告知には有効ですが、配布するたびに費用がかかり、反応率を安定させるのが難しいという特性があります。
ポータルサイトは開業直後の認知獲得に即効性がありますが、掲載費を払い続ける限りコストが発生し、プラットフォームの掲載条件や競合状況に集客数が左右されます。
一方で、自院HPは「育てる」集客チャネルです。公開直後は検索順位が低くても、施術内容・患者さまの声・ブログ記事をコツコツ追加していくことで、検索からの流入が増えていきます。
チラシやポータルサイトへの依存度を段階的に下げ、自院でコントロールできる集客基盤を構築するのが中長期の戦略です。
接骨院・整骨院のウェブ集客について詳しくは、接骨院・整骨院のウェブ集客方法で解説しています。
HPで集客に成功した接骨院の事例
「HPを作って本当に集客できるのか」。この疑問に対する最も説得力のある回答は、実際の事例です。
住吉接骨院(愛知県)では、HPを活用した集客に取り組んだ結果、「反応率は、問診でHPを見て来院したという患者さんが6割を超えてきました」という成果が出ています。
HPを見て来院する患者さまが6割を超え、売上は右肩上がりで増加しています。(あきばれホームページ お客さまの声より)
アクア鍼灸接骨院(千葉県)は、チラシ・DM・雑誌広告に依存していた集客をHPに切り替えたケースです。その結果、新規顧客が2〜3倍に増加し、年商は7,000万円から1億円以上にアップ。
「ホームページで十分に集客が出来ているため、雑誌広告等の紙媒体での販促をしなくても良くなりました」とのご報告をいただいています。(あきばれホームページ お客さまの声より)
これらの事例に共通するのは、HPを「作って終わり」にせず、施術内容や患者さまの声を定期的に更新して「育てた」という点です。公開後に手を加えなければ、どんなHPも成果にはつながりません。HPは育てることで初めて集客の資産になります。
開業時のHP制作は低コストで始められる
「HPが大事なのはわかった。でも開業資金だけで精一杯で、HP制作に何十万円もかけられない」。そう感じている方に知っていただきたいのが、低コストで始められるHP制作サービスです。
あきばれホームページでは、接骨院・整骨院に特化したHP制作パックを提供しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 54,780円〜(税込) |
| 月額費用 | 6,490円(サーバー・更新・サポート込み) |
| 納品期間 | 最短10日 |
| 保証 | 90日全額返金保証 |
| サポート | 電話サポート無制限 |
開業資金500万〜1,000万円の中で、HP制作費は全体の約1%以下です。開業後に自分で更新できるCMS「Buddy」を使うため、更新のたびに制作会社に費用を払う必要がありません。
接骨院・整骨院向けのHP制作パックの詳細は接骨院・整骨院向けホームページ制作をご覧ください。開業に合わせたHP制作をお考えの方は開業パックの料金も参考になります。
接骨院・整骨院の開業でよくある質問
接骨院の開業は儲かるのか?
「開業すれば確実に儲かる」とは言えません。ただし、集客の仕組みを構築した院は安定した収益を上げています。
保険診療は1回あたり1,000〜2,000円程度と単価が低く、保険診療だけで高い収益を得るのは困難です。近年は自費診療メニュー(骨盤矯正・スポーツケア等)を組み合わせて客単価を上げる「ハイブリッド型」の院が増えています。
収益の分かれ目は「技術の高さ」だけではなく「集客の仕組みの有無」です。開業前からHPを準備し、地域名での検索で上位表示される状態を作ることが、安定経営への近道になります。
開業オーナーの年収はいくら?
接骨院・整骨院オーナーの年収について、公的な統計データは公表されていません。
業界内の参考値として、年収300万〜800万円程度が一つの目安です。自費診療を中心に展開し、集客に成功している院では年収1,000万円を超えるケースもあります。ただし、年収は開業形態(テナント or 自宅)・集客力・経営スキル・地域の競合状況によって大きく変動します。
整骨院が潰れる理由は何か?
整骨院の廃業要因として多いのは、「集客不足」「固定費過多」「保険依存からの転換遅れ」の3つです。
特に「技術には自信があるが集客ができない」というパターンが最も多く見られます。施術の腕がどれほど優れていても、患者さまに存在を知ってもらえなければ来院にはつながりません。
チラシの反応が読めない、ポータルサイトの掲載費が重い、口コミだけでは新規が増えない。こうした状況に陥る前に、自院HPという「自分でコントロールできる集客基盤」を開業時から育て始めることが、廃業リスクの低減につながります。
まとめ
接骨院・整骨院の開業準備で押さえるべきポイントを整理します。
- 資格: 柔道整復師の国家資格が必須。保険診療を行うなら施術管理者要件(実務経験3年以上+研修16時間)を確認
- 届出: 施術所開設届(保健所)・受領委任届出(地方厚生局)・開業届(税務署)の3つは漏れなく提出
- 資金: テナント開業は500万〜1,000万円、自宅開業は100万〜300万円が目安。公庫融資・補助金を活用
- 広告規制: 柔道整復師法第24条と2025年策定の広告ガイドラインを把握し、HP掲載内容を確認
- 集客設計: 開業の2〜3ヶ月前からHPを準備し、開業日に検索で見つかる状態を目指す
開業準備は「届出と内装の完了」で終わりではありません。 開業後に患者さまが来る仕組み、つまりHP活用の集客設計まで含めて「開業準備」です。この準備を開業2〜3ヶ月前から始めることが、成功と廃業を分ける分岐点になります。

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