経営者のための「HP作成講座」

第5回:ホームページ作成の流れと準備すべきもの

第5回:ホームページ作成の流れと準備すべきもの

前回の第4回講座では、ホームページの土台となる「サーバー(土地)」と「ドメイン(住所)」の選び方について学びました。会社の信頼性に関わる重要な”資産の準備”が整い、これであなたのホームページを建てる場所は万端です。

さて、場所が決まったら、次はいよいよ「ホームページ作成(家づくり)」そのものに取り掛かりましょう。

しかし、いきなり作業を始める前に、まずは家づくりの「全体の流れ(設計図)」と、どんな「材料(会社情報や写真など)」が必要になるのかを把握しておくことが、スムーズな完成への近道です。

【この記事で分かること】

この記事では、ホームページ作成の全体像を掴むために、次のことを分かりやすくお伝えします。最初に、すべての土台となる最も重要なステップから始めましょう。それは、ホームページを作る「目的」をはっきりさせることで

  • ホームページ作成の全体像と7つのステップ
  • 各ステップで何をすべきか、具体的な作業内容
  • スムーズな制作のために、事前に準備しておくべきものチェックリスト
  • 制作期間の目安と、プロに依頼する際のコミュニケーションのポイント

この第5回では、ホームページ作成の全体像を掴んでいただくために、目的設定から公開までの「作成の流れ」と、事前に用意すべき「準備すべきもの」を分かりやすく解説します。

この記事を読み終えれば、やるべきことの順番が明確になり、「まずはここから始めよう!」と、迷わず次の一歩を踏み出せるようになります。

ホームページ完成までの7ステップ!作成の全体像を掴もう

ホームページ完成までの7ステップ!作成の全体像を掴もう

ホームページを作りたい、と思っても「何から手をつければ良いのだろう?」と迷ってしまう方は少なくありません。ご安心ください。ホームページの作成は、大きく7つのステップに分けられます。

まずは、どのような順番で作業を進めていくのか、全体の流れを一緒に見ていきましょう。この全体像を掴んでおけば、一つひとつの作業が何のために必要なのかを理解しながら、迷わず進めることができます。

1. なぜ作る?ホームページの「目的」を明確にする

なぜ作る?ホームページの「目的」を明確にする

最初に、すべての土台となる最も重要なステップから始めましょう。それは、ホームページを作る「目的」をはっきりさせる作業です。

例えば、「会社の信頼度を上げたい」「サービスに関する問い合わせを増やしたい」「商品をインターネットで販売したい」など、あなたがホームページで何を達成したいのかを具体的に考えてみましょう。

そして、その目的を達成するために「誰に、何を伝えたいのか」を深掘りします。これがターゲット設定です。目的とターゲットが明確になることで、今後のデザインや掲載する情報に一貫性を持たせることができます。

2. ネット上の「住所と土地」を準備する

ホームページを家に例えるなら、インターネット上にも「住所」と「土地」が必要です。

ドメイン:インターネット上の「住所」にあたるもので、URL(例: https://www.あなたの会社名.co.jp )として表示されます。

サーバー:作成したホームページの情報を保管しておく「土地」の役割を果たします。

この2つを準備することで、世界中の人があなたのホームページにアクセスできる環境をつくることができます。

※ドメインとサーバーについては、第4回の記事で詳しく解説しましたので、そちらも参考にしてくださいね。

3. 「どうやって作るか」を決める

目的が決まり、場所の準備ができたら、次はいよいよ「作り方」を選びます。主な方法は3つあります。

ひとつ目は、制作会社に依頼する方法です。デザインや機能にこだわりたい、プロに任せて安心感を得たい、という方におすすめです。

二つ目は、作成ツールなどを使って自分で作る方法です。制作コストを抑えたい、公開後も自分で情報をどんどん更新していきたい、という方に向いています。

そして、三つ目は、最初の設計やデザインはしっかりプロに任せて、更新は自分でやるセミオーダー型の作成方法です。イチから自作するのは不安だが、更新は自分でやりたい人、また費用を抑えたい人にもおすすめです。

あなたの予算やスキルに合わせて、最適な方法を選択しましょう。

詳細については第3回の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

4. ホームページの「見た目」を設計する

ホームページの「見た目」を設計する

ここでは、ホームページの「見た目」、つまりデザインを設計していきます。これは、訪れた人に良い印象を与え、会社のブランドイメージを伝えるための重要な部分です。

まずは、どのページにどのような情報を載せるか、サイト全体の構成(サイトマップ)を考えます。その後、トップページや各ページの色使い、レイアウト、写真の配置といった具体的なデザインを決めていきましょう。使いやすさも意識しながら、あなたの会社の魅力が伝わるデザインを目指します。

デザインについては、第7回講座で詳しく解説します。

5. 掲載する「情報(コンテンツ)」を作成する

掲載する「情報(コンテンツ)」を作成する

デザインの骨格が決まったら、ホームページの中身となるいちばん大切な要素、「情報(コンテンツ)」を作成する段階です。

各ページに掲載する文章を考え、会社のロゴや商品の写真、説明に使うイラストなどを用意します。ホームページで伝えたいメッセージが的確に伝わるよう、分かりやすく魅力的なコンテンツを準備しましょう。このステップで必要な情報を事前にしっかりと準備しておくと、後の工程がとてもスムーズに進みます。

なお、第9回では、集客を意識したWEBライティングについて、また第10回では、画像や動画などメディアの効果的な使い方について解説します。ここでは主に作成の流れを掴んでいただければ問題ありません。

6. いよいよインターネット上に「公開」する

コンテンツの準備が整い、デザインに組み込んだら、いよいよ完成です。作成したホームページをサーバーにアップロードし、誰でも見られる状態にすることを「公開」と呼びます。

ただし、公開ボタンを押す前に、必ず最終チェックを行いましょう。文章に誤字脱字はないか、リンクが正しく設定されているか(リンク切れがないか)などを隅々まで確認します。万全の状態で、あなたのホームページを世界に向けて発信しましょう。

7. 作って終わりじゃない!「運用・更新」で育てていく

作って終わりじゃない!「運用・更新」で育てていく

ホームページは、公開したら終わりではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。

定期的にお知らせを更新したり、ブログで専門的な情報を発信したり、多くの人に見てもらえているかをアクセス状況で確認したりと、継続的な「運用・更新」が欠かせません。

ホームページの情報を常に新しく保つことで、訪問者からの信頼性が高まります。愛情を込めて情報を更新し、あなたのホームページを立派に育てていきましょう。

公開後の運用についても、第11回講座で解説しますので、そのまま読み進めてください。

これだけは用意しておこう!準備すべきものチェックリスト

これだけは用意しておこう!準備すべきものチェックリスト

ホームページの作成をスムーズに進めるためには、事前の準備がとても大切です。本格的な制作に入る前に、必要な情報を手元に集めておきましょう。

すでにある会社の資料やデータを整理するだけでも、制作の大きな一歩となります。本章では、上図で示したチェックリストを順に解説します。参考にして、ホームページ作成の準備を進めてみてください。

会社の基本情報

まず、会社の信頼性を伝えるために不可欠な基本情報を準備します。これらは主に「会社概要」ページで使用される情報です。

会社名、住所、電話番号、設立年月日、代表者名など、基本的な項目を整理しておきましょう。

会社の歴史を伝える「会社の沿革」や、経営者の想いを伝える「代表者メッセージ」も、訪問者に安心感を与える重要な要素です。

会社の強みや理念、ビジョンを言葉にしておくことで、貴社がどのような価値観を大切にしているのかを明確に伝えられます。

商品・サービスの情報

次に、ホームページの主役である商品やサービスに関する情報を集めます。お客さまが「欲しい」「利用したい」と感じるような、魅力的な情報を用意することがポイントです。

商品やサービスの名称、価格はもちろん、その魅力が伝わる写真も忘れずに準備しましょう。

お客さまが最も知りたい「特徴や強み」「他社製品との違い」を明確にすることで、選ばれる理由をアピールできます。

「ご利用の流れ」を分かりやすく示したり、「お客さまの声」や「導入事例」を紹介したりすることも、検討中の方の背中を押す効果的な情報となります。

画像・ロゴデータ

文章だけでは伝わりにくい会社の雰囲気や、商品の魅力を視覚的に伝えるために、画像やロゴのデータは欠かせません。

会社の顔となる「ロゴマーク」のデータを用意しましょう。もしデータ形式が分からなくても、印刷物など元になるものがあれば対応できる場合が多いのでご安心ください。

信頼感や親近感を伝えるために、オフィスの外観・内観の写真や、スタッフが働いている様子の写真も有効です。

その他、商品やサービスに関連する写真やイラストも、具体的で分かりやすいページ作りには不可欠な要素です。

掲載したい文章(テキスト)

各ページに掲載する文章の元になるテキストを準備しておきます。最初から完璧な文章である必要はありません。

ホームページのトップで訪問者の心を掴む「キャッチコピー」や、各ページで「これだけは伝えたい」という内容の文章を考えてみましょう。

まずは箇条書きのメモのような形式でも全く問題ありません。特にプロの制作会社に依頼する場合は、そのメモを元にして、より伝わる文章を作成してもらえます。

なお、第6回の講座では、ビジネスサイトにどのようなページを用意すべきか詳しく解説します。

お客さまとの接点となる情報(電話やメールアドレスなど)

ホームページを訪れたお客さまが、実際にアクションを起こすための「接点」となる情報も、事前に整理しておくことが重要です。

問い合わせの窓口となる電話番号やメールアドレスを決めましょう。

ホームページ上に問い合わせフォームを設置する場合は、お名前、メールアドレス、問い合わせ内容など、どのような項目が必要かを考えておきます。

お客さまから頻繁に寄せられる質問をまとめた「よくある質問(Q&A)」を用意しておくと、お客さまの疑問を素早く解決でき、満足度の向上にも繋がります。

経営者が知っておきたいHP制作のポイント

経営者が知っておきたいHP制作のポイント

最後に、ホームページ制作を成功に導くために、経営者として知っておきたいポイントを解説します。制作にかかる期間の目安や、外部のプロに依頼する場合のコミュニケーションのコツを押さえて、スムーズな進行を目指しましょう。

完成までどれくらいかかる? 制作期間の目安

多くの方が気になるのが「完成までにどれくらいの期間がかかるのか」という点でしょう。

一般的な目安として、小規模なホームページ(5〜10ページ程度)の場合、おおよそ1ヶ月から3ヶ月ほどの期間が必要となります。

もちろん、これはあくまで目安です。搭載したい機能が複雑であったり、ページ数が多かったりすると、その分制作期間は長くなる傾向にあります。

ひとつ確実に言えるのは、前章でご紹介したような事前の準備がしっかりできているほど、制作はスムーズに進み、結果として期間の短縮に繋がるということです。スタートダッシュを良くするためにも、情報収集と整理は丁寧に行いましょう。

※ちなみに弊社が提供する【あきばれホームページ】では、効率的な制作フローにより最短10日という短納期も可能です。

【プロに依頼する場合】
 スムーズに進めるためのコミュニケーション術

制作をプロの会社に依頼すると決めた場合、良いホームページが作れるかどうかは、担当者とのコミュニケーションの質に大きく左右されます。

以下の3つのコツをぜひ実践してください。

  1. 目的と要望をしっかり伝える

    制作会社にとって最も重要な情報は、ステップ1で考えた「なぜホームページを作るのか」という目的の部分です。

    技術的な要望を並べるだけでなく、「ホームページを通じて事業をどう成長させたいのか」を、ぜひご自身の言葉で熱意をもって伝えてみてください。ビジネスのゴールを共有することが、最適な提案を引き出す第一歩となります。

  2. 参考サイトを共有する

    「お洒落な感じ」「すっきりしたデザイン」といった言葉だけでは、人によって受け取り方が異なり、イメージのズレが生じがちです。

    そこで有効なのが、「こんな雰囲気のサイトが好き」「このサイトのこの部分が良い」といった参考サイトを2〜3サイト見つけて共有することです。具体的な見本があれば、デザインの方向性が明確になり、認識の齟齬を最小限に抑えられます。

  3. 丸投げにしない

    プロに任せるとはいえ、「すべてお任せします」という丸投げの状態は避けるのが賢明です。任せっきりにせず、大切な節目では必ず内容を確認し、フィードバックを行うようにしましょう。

    定期的に進捗を確認し、二人三脚で作り上げていくという姿勢が、最終的に理想のホームページを完成させるための最も確実な道筋と言えるでしょう。

【まとめ】ホームページ作成では準備が重要

【まとめ】ホームページ作成では準備が重要

今回は、ホームページ作成の「全体の流れ」と「準備すべきもの」を学びました。これであなたは、闇雲に作業を始めるのではなく、完成までの明確な「設計図」と、必要な「材料」を手に入れたことになります。もう「何から手をつければ良いのだろう?」と迷うことはないでしょう。

しかし、どれだけ立派な設計図と材料があっても、それぞれの「ページ(部屋)」が魅力的でなければ、お客さまは玄関先で帰ってしまいます。ホームページでお客さまを惹きつけるためには、各ページに明確な「役割」を与えることが欠かせません。

ちなみに弊社が提供する【あきばれホームページ】では、コンサルタントがフォローしながら、一緒に制作を進めていきますので、初めて作成の方でも安心です。

次回の第6回講座「どんなページを作ればいい? 集客につながるホームページ構成」では、その最も重要な「ページの役割」を解説します。訪問者が迷うことなく、自然と「問い合わせ」というゴールにたどり着くためのページ構成の秘訣を学び、あなたのビジネスを成功に導くホームページの土台を完成させましょう。

次回の講座はこちら

第6回:どんなページを作ればいい?集客につながる構成
新規作成

第6回:どんなページを作ればいい?集客につながる構成

本記事では、トップページやサービス紹介など、ビジネスサイトに必要な各ページの「役割」を明確にします。集客力の高いサイト構成の基本を学びましょう。

【記事作成・監修】
WMSデジタルマーケティング分析室

WMSデジタルマーケティング分析室

この記事は、中小企業のサイト構築300件以上、コンサルティング500件以上を手掛けてきたWEB集客コンサルタントと、現場の課題を知り尽くしたカスタマーサポートスタッフが中心となり監修。

その実践的な経験と知識を、10年以上の経歴を持つWEBライターがコンテンツ・SEOライティングの視点で分かりやすく整理し、ホームページの作り方やツールに関する有益な情報としてお届けします。 

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