経営者のための「HP作成講座」

第12回:ホームページ集客を後押しするSNSとネット広告

第12回:ホームページ集客を後押しするSNSとネット広告

この講座では、ホームページの企画から制作、そして公開後の運用まで、一通りの流れを学んできました。前回は、ホームページ公開後が本当のスタートであること、そして成果を出すために欠かせない「改善サイクル」の回し方について解説しましたね。

さて、丹精込めて作り上げたホームページも、お客さまに見ていただけなければ宝の持ち腐れです。多くの場合、集客の軸となるのは検索エンジンからのアクセス(SEO)でしょう。

しかし、検索エンジンだけに頼っていると、Googleのルール変更ひとつで、ある日突然アクセスが減ってしまう不安定さも抱えています。

そこで最終回となる今回は、そうしたリスクに備え、集客の入り口を増やすための選択肢として、「SNS」と「ネット広告」の基本的な役割と使い方をご紹介します。

この記事のゴールは、それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせて「今、利用すべきか?」を冷静に判断する視点を養うことです。

【この記事でわかること】

  • SNSとネット広告がHP集客に役立つ理由
  • 自社に合ったSNSの選び方と投稿の基本
  • 初めてのネット広告(リスティング・SNS広告)の考え方
  • SNSや広告を始める前に知っておきたい注意点

SNSやネット広告はどんな時に役立つか?

SNSやネット広告はどんな時に役立つか?

ホームページへの集客(お客さまを集めること)は、検索エンジン対策(SEO)が土台となります。しかし、SNSやネット広告は、そのSEO対策だけではカバーしきれない部分を補い、集客を安定させるために役立ちます。

なぜなら、SEO対策は成果が出るまでに半年から1年ほど時間がかかる場合が多く、即効性のある方法と組み合わせる必要があるからです。

ここでは、SNSと広告が持つ具体的な役割を見ていきましょう。

SEOが持つ「時間差」と「リスク」を補う役割

SEOが持つ「時間差」と「リスク」を補う役割

まず知っておきたいのは、SEO対策の課題です。

SEO対策は、お客さまにとって役立つ情報をホームページにコツコツと積み重ねていく活動です。そのため、検索結果の上位に表示され、安定したアクセスが集まるまでには、どうしても時間がかかってしまいます。

また、集客を検索エンジンだけに頼るのは、実は危険な側面も持っています。もしGoogleのルール変更(これは「アップデート」と呼ばれます)によって検索順位が大きく下がった場合、ホームページへのアクセスが突然ゼロ近くまで落ち込む可能性があるのです。

SEOには「時間がかかる」「変動リスクがある」という弱点があります。SNSやネット広告といった他の集客方法を持っておくことで、このリスクを分散できます。

【即効性】と【拡散力】で成果を早く得る

SNSとネット広告は、SEOとは異なる強みを持っています。

・ネット広告の役割(即効性)

ネット広告の最大の強みは【即効性】です。費用を支払って広告を出稿すれば、基本的にはその瞬間からお客さまの目に触れるようになります。

例えば、「新店舗オープンの限定キャンペーンをすぐに知らせたい」といった、短期的に成果が欲しい場合に非常に有効な手段です。

・SNSの役割(拡散力)

SNSの強みは【拡散力】にあります。

あなたの投稿を見た人が「これは面白い」「役に立つ」と感じれば、その情報を自ら「シェア(共有)」してくれる可能性があります。

この現象が大きく広がる(いわゆる「バズる」)と、検索エンジンだけでは出会えなかったはずの、非常に多くの潜在的なお客さまへ一気に情報を届けることが可能です。

SNSをやるなら…自社に合ったSNSの選び方と投稿の基本

SNSをやるなら…自社に合ったSNSの選び方と投稿の基本

SNSを使った集客を始めるなら、まずは自社の商品やサービス、そしてターゲット層(どのようなお客さまか)に合ったSNSを選ぶことが成功への第一歩です。

なぜなら、SNSは種類によって利用している人の年齢層や性別、好まれる投稿の形式(写真、動画、文章など)が全く異なるからです。もし、自社のお客さま候補がいない場所で一生懸命に情報を発信しても、その努力はなかなか成果に結びつきません。

ターゲット層や商品・サービスに合わせて選ぶ

SNSの利用者は非常に多いですが、それぞれの特徴を理解し、集客したいお客さまが多く集まる場所を選びましょう。

・Instagram(インスタグラム)

・Instagram(インスタグラム)

美しい写真や動画といった「視覚」に訴えることが得意なSNSです。

(例)アパレル、飲食店、美容室、インテリア雑貨など、

見た目の魅力が伝わりやすい商品やサービスに向いています。

・X(旧Twitter)

・X(旧Twitter)

短い文章で「今」起きていることを共有するのが得意なSNSです。情報の拡散力が高いのが特徴です。

(例)手軽に情報発信を始めたい場合や、お客さまと気軽にコミュニケーションを取りたい場合におすすめです。ホームページへの誘導もしやすいです。

他にも動画中心の「YouTube」や「TikTok」、ビジネス利用も多い「Facebook」など、様々なSNSが存在します。

SNS投稿の超基本的な考え方

SNS投稿の超基本的な考え方

SNS集客の基本は、一方的に宣伝することではなく、お客さまと触れ合い「ファン」を獲得していくことです。

まずは「フォロワー(あなたの発信を受け取ってくれる人)」になってもらい、その方々に向けて有益な情報を繰り返し届けることで、将来的な商品やサービスの購入に繋げていきます。

そのため、投稿する内容は企業の宣伝ばかりにならないよう注意が必要です。

例えば、「プロが教える〇〇のコツ」といった役立つ情報や、思わず共感してしまうようなタイムリーな話題などを発信し続けることが、ファンを増やす近道となります。

SNS運用には継続的な「手間」がかかる

ここで注意点があります。SNSの利用は基本的に無料ですが、継続的な「手間(労力)」がかかることを理解しておきましょう。

フォロワー(ファン)を増やし、関係性を維持していくためには、定期的に投稿内容を企画し、作成・発信し続けるという地道な活動が欠かせません。成果が出るまで時間がかかる点もSEOと似ており、「すぐに売上につながる」ものではないと理解しておくことが大切です。

ネット広告を出すなら…初めての広告の考え方

ネット広告を出すなら…初めての広告の考え方

ネット広告は、従来のテレビや新聞の広告とは違い、少ない費用から手軽に試せる集客方法です。

最大のメリットは、先ほども触れた「即効性」の高さにあります。「すぐに集客の効果を試してみたい」「まずは少額で反応を見たい」といった場合に、とても有効な選択肢となります。

【リスティング広告】と【SNS広告】の使い分け

初めてネット広告を出す場合、まずは代表的なこの2つの広告を知っておきましょう。

・リスティング広告(検索連動型広告)

これは、お客さまがGoogleなどで検索した時に、その検索結果画面に表示されるテキスト広告のことです。

(例)「渋谷s整骨院」と検索した人に対して、「〇〇整骨院|渋谷駅徒歩3分」といった広告を表示できます。 今まさに商品やサービスを探している、購買意欲の高い人に直接アピールできるのが強みです。

・SNS広告

これは、InstagramやX(旧Twitter)などを見ているときに、一般の投稿に混zっ て表示される広告(画像や動画など)です。

(例)「30代女性、美容に興味あり」といった特定の層に絞って広告を見せられます。 まだ自社の商品を知らない潜在的なお客さまに、広く認知してもらいたい場合に適しています。

どれくらいかかる? 誰に払う?

どれくらいかかる? 誰に払う?

ネット広告は、「自分で出稿する」方法と「専門の代理店に依頼する」方法があります。誰に費用を支払うかは、このどちらを選ぶかによって変わってきます。

◆ 費用の目安(テスト費用)

広告は理論上1日数千円といった少額からでも始められます。

ただし、効果を検証するためには、一般的に月額10万円〜30万円程度を「テスト費用」として見込んでおくとよいでしょう。

◆ 支払い先(誰に払うか)

  • パターン1:ご自身で広告を出す場合 支払い先は、GoogleやMeta社(Facebook/Instagram)といった「広告媒体社」です。かかった「広告費」を、これらの会社に直接支払います。
  • パターン2:専門の会社(広告代理店)に依頼する場合 この場合、かかった「広告費」に加えて、「運用代行手数料」(一般的に広告費の20%程度)が発生します。 これらを合算した金額を、依頼先である「広告代理店」に支払う形が一般的です。

ネット広告の注意点:「コスト」と「改善」の考え方

ネット広告の注意点:「コスト」と「改善」の考え方

ネット広告は即効性がある反面、当然ながら継続的に「コスト(費用)」がかかります。

費用を払い続けている間だけ効果が出るため、広告を止めれば、集客効果も止まってしまいます。そのため、「広告費が売上に見合っているか(費用対効果)」を常に確認しなくてはなりません。

最初から大きな予算を投じる必要はなく、まず少額で「どのような広告の出し方をすれば効果が出るのか」を検証し、反応を見ながら改善していく(この作業を「チューニング」と呼びます)という考え方が、ネット広告を活用する最大のコツです。

SNSも広告も「最終的な成果」につながっているかが重要

SNSも広告も「最終的な成果」につながっているかが重要

ここまでSNSとネット広告の基本的な役割と注意点(手間やコスト)について解説してきました。

ここで最も重要なことをお伝えします。ホームページ集客(SEO)、SNS、ネット広告といった手段は、すべてあなたの会社が目指す最終目的である「売上」や「成果」を達成するための手段にすぎない、ということです。

WEBの世界では、この最終的な成果のことを「コンバージョン」と呼びます。

【用語解説】コンバージョン(CV)とは?

ホームページに訪れたお客さまが、自社が目標として設定した行動(例:商品の購入、資料請求、お問い合わせフォームからの送信など)を完了することを指す専門用語です。

「アクセスは増えたのに問合せは増えない⁉」に注意

集客手段を増やす際は、「コンバージョン(最終成果)に繋がっているか?」という視点を常に持ちましょう。

例えば、SNSを頑張った結果、「フォロワーやアクセスは増えたけれど、なぜか問合せは全然増えない…」という状態に陥っていないか、冷静に確認する必要があります。

もし、あなたの人手や予算が限られているのであれば、どうすべきでしょうか。

まずは「成果に最も結びつきやすいホームページ本体の改善(SEO対策など)を優先し、地道にコツコツと続けること」が、結果的に最も重要になるケースも非常に多いのです。

【まとめ】集客手段はSEOだけじゃない

【まとめ】集客手段はSEOだけじゃない

全12回にわたる「ホームページ新規作成講座」、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この講座では、ホームページの基礎知識から始まり、実際の制作、そして公開後に成果を出すための運用・改善方法まで、一通りの流れを解説してきました。

そして最終回である今回は、集客の土台となる検索エンジン対策(SEO)を補強し、集客を安定させるための選択肢として「SNS」と「ネット広告」について解説しました。

ホームページ集客を成功させる鍵は、検索エンジンだけに頼らず、SNSやネット広告といった複数の集客の入り口を持つこともひとつの手段です。

SNSはファンを獲得し、まだあなたの商品を知らない層へ認知を広げることに長けています。一方、ネット広告は費用こそかかりますが、すぐに成果が欲しい時の「即効性」が最大の武器です。

これらは、SEOが持つ「成果が出るまでの時間差」や「検索順位の変動リスク」を補ってくれる、非常に心強い選択肢となります。状況に応じて、取り組んでみましょう。

これからホームページを運用される経営者の皆さまへ

ホームページは「作って終わり」ではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。

地道に情報を発信し、お客さまの声を聞きながら改善を続けることで、あなたのホームページは、文句も言わずに24時間働いてくれる「最強の営業マン」へと育っていきます。

この講座が、あなたのビジネスを力強く後押しするホームページ作りの一助となれば、これほど嬉しいことはありません。全12回の講座、本当にお疲れさまでした。

弊社が提供する【あきばれホームページ】は、起業以来長年ホームページを活用して成果をあげたい経営者の皆さまをサポートし続けてまいりました。

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