
「自分でSEOを始めてみようと思っているけど、キーワード選定って難しそう…」
「HP制作会社から『SEOキーワードを決めてください』と言われたけど、何をどう選べばいいのか分からなかった…」
当社の相談窓口では、HP制作やリニューアルを検討している方から、こんな声をよく聞きます。
SEOの「キーワード選定」は、専門用語が多くて難しそうに感じるかもしれません。でも実は、基本の考え方を理解すれば初心者の方でも効果的に選べます。
この記事では、SEO初心者の方でも「自社サイトに合ったキーワード」を見つけられるように、やさしく解説します。
【この記事で分かること】
- SEO対策における「キーワード」とは何か、なぜ重要なのか
- キーワードを選ぶための5つのステップ
- キーワードの具体的な数と配置方法
- 初心者がやりがちな失敗例とその防ぎ方
- 無料で使えるキーワード選定のためのツール3選
- 自分でやるべきか、プロに任せるべきかの判断基準
SEO対策の「キーワード」って何?

SEO対策を考えるとき、まず押さえておきたいのが「キーワード」です。
キーワードとは、あなたのサービスを探している人が検索エンジンで調べるときに入力する言葉のこと。どんな言葉で検索されるかを意識するだけで、あなたのホームページが見つかりやすくなり、集客にもつながります。
最初に、キーワードの基本的な考え方と種類をわかりやすく解説します。
キーワードとは「お客さまが検索する言葉」のこと
キーワードとは、ユーザー(検索する人)が、検索エンジンに入力する言葉のことです。
たとえば、渋谷で美容院を探している人は『渋谷 美容院』とGoogleで検索するでしょうし、もし腰痛に悩んでいれば『腰痛 整体』と検索するかもしれません。
この『渋谷 美容院』『腰痛 整体』が「キーワード」です。
そして、あなたのホームページに来てほしいお客さまが、どんな言葉で検索するかを考えることが「キーワード選定」です。
難しく考える必要はありません。普段、自分がスマホやパソコンで何を検索するか想像してみてください。それがキーワードなのです。
キーワードには種類がある
キーワードは、大きく分けて次の3種類があります。
- ビッグキーワード
- ミドルキーワード
- ロングテールキーワード
これらの3つの言葉は、HP制作やSEO対策の打ち合わせでもよく出てくる言葉です。それぞれの特徴や狙い方を理解するために、下の表で比較してみましょう。
【キーワードの種類別比較表】
| 項目 | ビッグキーワード | ミドルキーワード | ロングテールキーワード |
|---|---|---|---|
| 語数の目安 | 1〜2語 | 2〜3語 | 3語以上 |
| 具体例 | 「SEO対策」「HP制作」 | 「SEO対策 東京」「HP制作 料金」 | 「SEO対策 東京 中小企業」「HP制作 料金 相場」 |
| 検索される回数(検索ボリューム) | 非常に多い | ほどほど | 少なめ |
| 競合の多さ | 非常に多い(大手や専門メディアが上位) | やや多い(中小企業も参入可能) | 少ない(中小サイトでも狙いやすい) |
| 検索する人の目的(検索意図) | 何となく調べている(情報収集中) | やや明確(比較・検討段階) | かなり明確(今すぐ相談・購入したい) |
| 問い合わせ・成約へのつながりやすさ | 低め(目的が広く、購買意欲はまだ低い) | 中くらい(検討段階の見込み客が多い) | 高め(具体的なニーズを持つ見込み客が多い) |
表を見てわかる通り、キーワードにはそれぞれ特徴があります。
- ビッグキーワード
検索は多いけど競争も激しいので、小規模サイトでは上位表示が難しい - ミドルキーワード
競争はやや緩やかで、比較・検討中の人に届きやすい - ロングテールキーワード
検索数は少ないが、問い合わせや成約につながる人に届きやすい
SEO対策では、この3種類のキーワードを組み合わせるのがポイントです。特に小規模サイトでは、いきなりビッグキーワードを狙うのではなく、まずはロングテールキーワードを中心に、ミドルキーワードも組み合わせていく戦略がおすすめです。
なぜキーワード選定が重要なのか?
キーワードの種類が分かったところで、次は「なぜキーワード選定が大切なのか?」を解説します。
キーワード選定を間違えてしまうと、どれだけ素晴らしいホームページを作っても、お客さまに見つけてもらえません。逆に、適切なキーワードを選べば「まさに探していた!」という人が訪れて、問い合わせや成約につながりやすくなります。
選ぶキーワード次第で、来てくれるお客さまの「数」と「質」がまったく変わるのです。具体的に、3つのパターンで見ていきましょう。
× 誰も検索しないキーワード = お客さまゼロ
もし選んだキーワードが、自分や周りの一部だけが知っている「社内用語」や「独自の造語」だったらどうなるでしょう?
当然、そのキーワードで検索する人はほぼ「ゼロ」です。
そのようなキーワードを狙った場合、どれだけ良い記事を書いても、人通りのない路地に看板を出すようなもの。せっかくのホームページが誰の目にも触れません。
× ライバルが強すぎるキーワード = 上位表示できない
では、人気キーワード(ビッグキーワード)なら検索してもらえるのでは?と思うかもしれません。例えば、「SEO対策」「ホームページ制作」といったキーワードです。
こういったキーワードで検索する人は確かに多いですが、そのぶん大手企業や専門メディアが上位を独占している「激戦区」でもあります。
資金力や人員で勝るライバルがひしめく場所で戦っても、上位表示は非常に難しく、結果として「誰にも見てもらえない」状態に陥りがちです。
〇 ちょうどいいキーワード = 質の高いお客さまが来る
適切なキーワードとは、上記の2つを避け、次の3つ条件を満たすものです。
- 検索数がほどほどにある
- ライバルが強すぎない
- 自社サービスを本当に求める人が検索する
これが、前述した「ロングテールキーワード」や「ミドルキーワード」です。
正しいキーワードを選ぶことで、初めて購入や問い合わせにつながる見込み客にホームページを訪れてもらえます。
SEOキーワード選定の5ステップ【基本的な考え方】

キーワードの重要性がわかったところで、次に「どうやってキーワードを選べばいいのか?」という具体的な基本の5ステップを紹介します。
各ステップを順に理解することで、検索されやすく、問い合わせにつながるキーワードを選べるようになります。
- ゴールと目的を明確化する
- ターゲットの検索行動を想像する
- キーワード候補を洗い出す
- 検索ボリュームと競合性を分析する
- 優先順位をつけて最終決定する
ステップ1.ゴールと目的を明確化する
キーワード選定を始める前に、まず「ホームページで何を達成したいのか?」を明確にしましょう。その目的によって、選ぶべきキーワードは大きく変わります。
【目的別のキーワード例】
- 問い合わせを増やしたい場合
「〇〇 相談」「〇〇 依頼」「〇〇 見積もり」など - 商品を販売したい場合
「〇〇 通販」「〇〇 購入」「〇〇 おすすめ」など - 採用を強化したい場合
「〇〇 求人」「〇〇 転職」「〇〇 働きやすさ」など - 認知度を上げたい場合
「〇〇とは」「〇〇 メリット」「〇〇 選び方」など
たとえば、BtoB製造業で新規取引先を増やしたいなら「〇〇 OEM」「〇〇 製造委託」といったキーワードが有効です。
一方、地域密着型のサービス業なら「渋谷 整体」「世田谷 税理士」のように、地域名を含むキーワードが重要になります。
このステップは、あなた自身がしっかり考えるべき最も重要な部分です。HP制作会社やSEO業者に依頼したとしても、自分でビジネスゴールを理解していなければ最適なキーワードは選べません。
まず、「このホームページで、誰に、最終的にどんな行動をしてほしいか」を決めましょう。
ステップ2.ターゲットの検索行動を想像する
次に、あなたの商品やサービスを必要としている人が「どんな言葉で検索するか」を想像します。
ここで重要なのが「ペルソナ(理想の顧客像)」の設定です。
※ペルソナについて詳しく知りたい方は、「ホームページの集客に役立つ「ペルソナ」の作り方【AI対応 最新版】」も参考にしてください。
たとえば整体院を探している人でも、その人の状況によって、次のように検索する言葉は全く違います。
| 顧客タイプ | 検索しそうなキーワード(渋谷の近くに住んでいる場合) |
|---|---|
| 慢性的な腰痛に悩む40代 | 「腰痛 整体院 渋谷」「整体院 腰痛 根本治療」など |
| スポーツで怪我をした学生 | 「スポーツ障害 整体院」「足首 捻挫 整体院 渋谷」など |
| 肩こりがひどい会社員 | 「肩こり 整体院 渋谷」「デスクワーク 肩こり 治療」など |
キーワード選定は、お客さまの立場になって「どんな悩みを持っていて、どんな言葉で解決策を探すか」を具体的に想像することが大切です。
このステップも、自社の強みや顧客理解が必要になる部分。じっくり時間をかけて考えてみましょう。
たとえば、あなたが「渋谷駅近くで、デスクワークによる肩こり・腰痛治療」を得意とする整体院の経営者なら、ターゲットはこのような設定が考えられます。
ペルソナ
渋谷駅周辺のIT企業に勤める30代の会社員(エンジニア・デザイナーなど)
悩み
一日中PC作業で、慢性的な肩こりと腰痛に悩んでいる。マッサージでは一時的にしか良くならない。仕事帰りに行ける治療院を探している。
検索しそうなキーワード
「渋谷駅 整体 肩こり」「渋谷 整体院 デスクワーク 腰痛」「渋谷 夜 整体」などと検索するはずだ
ステップ3.キーワード候補を洗い出す
ホームページの「ゴール」と「ターゲット」が明確になったら、次は実際にキーワード候補を洗い出します。
キーワードの洗い出しは、大きく2段階で進めます。
【2】ツールを使って候補を広げる
ここで注意したいのが、単語が複数組み合わさったフレーズも 1つのキーワード として扱うことです。たとえば「腰痛 整体 渋谷」のようなフレーズも、検索者はその組み合わせで探すため、フレーズ全体を「1つの単位=1つのキーワード」として考えます。
では、それぞれの段階で何をすべきか、解説していきましょう。
【1】アイデア出し
まずはシンプルに、思いつく限りキーワードになりそうな言葉を書き出してみてください。
「自社の強み」や「お客さまの悩み」を思い浮かべながら、商品名・サービス名、悩み・症状、地域名、行動ワード(買う・相談する・依頼する等)を軸に考えると整理しやすいと思います。
例:渋谷にある整体院の場合
- 「腰痛」「肩こり」「ぎっくり腰」
- 「渋谷」「駅近」「夜間」
- 「保険適用」「交通事故」
- 「整骨との違い」「接骨院との違い」
- 「渋谷 整体院 夜 遅くまで」
- 「デスクワーク 腰痛 渋谷」
この段階では、正確さよりも量を出すことを意識しましょう。10〜20個ほど、思いつくまま書き出してみてください。
【2】ツールを使って候補を広げる
自分で考えたキーワードをもとに、次はツールを使って「実際にどんな言葉で検索されているか」を調べます。
この段階で役立つのが、無料で使えるツールです。初心者の方でも今すぐ使える方法から順に紹介します。
方法1.Google検索で確認する
まずは、普段使っているGoogleの検索窓を活用しましょう。
先ほど書き出したキーワードを実際にGoogleに入力してみてください。すると、自動で関連する候補「サジェストキーワード」が表示されます。

例:「渋谷 整体院」と入力すると出てくるサジェストキーワード
- 「渋谷 整体院 夜」
- 「渋谷 整体院 おすすめ」
- 「渋谷 整体院 保険適用」
このように、実際に検索されている言葉が候補として出てきます。
さらに、検索結果ページの一番下までスクロールすると「関連キーワード」も表示されます。これも、よく検索されている言葉なので、とても参考になります。
方法2:ラッコキーワードで一括取得
「ラッコキーワード」という無料ツールを使えば、関連キーワードを一気に見ることができます。
ラッコキーワードのサイトにアクセスし、調べたいキーワード(例:「渋谷 整体院」)を入力するとサジェストキーワードが一覧で表示されます。
登録不要で今すぐ使えるツールですので、初心者の方にもおすすめです。
ただし、無料版は1日の検索回数に制限があります。本格的に調べたい場合は、有料プランも検討すると良いでしょう。
方法3:Googleキーワードプランナーで調べる
Google広告の無料ツール「キーワードプランナー」を使うと、月間の検索回数(検索ボリューム)も確認できます。
ただし、これを使うにはGoogle広告のアカウントが必要で、設定が少し複雑です。慣れてきたらチャレンジしてみましょう。
ツールを使う場合に注意したいこと
ツールを使えばキーワード候補はたくさん見つかります。ただし、出てきた数値や候補をそのまま鵜呑みにするのは危険です。
- 検索する人は「情報を探しているだけ」なのか「今すぐ購入したい」のか?
- 競合サイトはどれくらい強いのか?
- 自社のサービスと本当にマッチしているか?
これらを見極めるには、その数字をどう「解釈」し、「選定」するかが最も重要で、専門的な経験も問われる部分です。
そこで、ツールで出てきたキーワード候補を実際に検索してみましょう。上位に表示されたサイトをいくつか見て、次のことを確認してください。
- どんな内容のページが上位にいるか?
- 大手企業ばかりか?それとも中小サイトも表示されているか?
- 自社でも同じような内容が書けそうか?
この「実際に検索して確認する」というシンプルな手順が、初心者の方でもできる判断方法です。ツールはあくまで「候補」を一覧で出してくれるだけの道具だという認識で、頼りすぎないようにしましょう。
ステップ4.検索ボリュームと競合性を分析する
せっかくキーワードを考えても、「誰も検索していない言葉」では意味がありません。次は、「そのキーワードで本当に勝てるのか?」を分析します。
判断のカギとなるのは、次の2つの視点です。
【視点2】競合性(ライバルは強いか)
それぞれの視点について、順に見ていきましょう。
検索ボリュームをチェックする
検索ボリュームとは、そのキーワードが「月に何回くらい検索されているか」を示す数値です。
では、どれくらいの検索ボリュームのキーワードを選べば良いのでしょうか?
業種や規模によって、目安は次のようになります。
【目安となる検索数】
- 中小企業・地域ビジネス→ 月間100〜1,000回くらい
- 専門性の高いサービス → 月間10〜100回くらい
- 全国展開のサービス → 月間500〜3,000回くらい
これは、あくまで目安です。業種によって適切なボリュームは変わります。重要なのは「数の多さ」より「質」です。
たとえ検索数が月間50回でも、「まさに自社サービスを求める人」が検索するキーワードなら、十分に価値があります。逆に、検索数が月間1万回あっても競合が強すぎて上位表示できなければ、結果は出ません。
競合の強さをチェックする
検索ボリュームをチェックしたら、実際にそのキーワードでGoogle検索して、上位サイトを確認しましょう。
上位サイトを見るときには、次のポイントをチェックしてみてください。
【チェックするポイント】
- 上位は大手企業や専門メディアばかりか?
- 表示されている記事の文字数・情報量はどれくらいか?
- 自分でも同じような内容が作れそうか?
そして、以下の基準で「勝てそうか」を判断してみましょう。
| ○ 勝てそうなキーワード | × 避けたほうが良いキーワード |
|---|---|
|
|
実は、このステップが最も判断が難しい部分です。なぜなら、「なぜこのサイトが上位なのか?」を正確に分析するには、次のような専門的な観点も必要だからです。
- 「なぜ、このサイトが1位なのか?」
- 「サイト全体の強さ(ドメインパワー)はどれくらいか?」
- 「どれだけ詳しい内容(コンテンツ)が書かれているか?」
- 「他のサイトからどれだけ応援(被リンク)されているか?」
- 「サイトのデザインや使いやすさ(ユーザー体験)はどうか?」
これらを総合的に見て詳しく判断したい場合は、SEOの専門業者やキーワード選定などのSEOに関するサポートが充実したHP制作会社に依頼することも検討してみましょう。
では、そもそも理想的なキーワードとは何でしょうか?
キーワード選定で目指すべきバランスは次の3つです。
- 検索ボリュームがほどほどにある
- 競合が強すぎない
- 自社サービスを求める人が検索する
これを完璧に判断するのは難しいため、初心者の方は、まずは「明らかに勝てないキーワード」を除外することから始めましょう。
そして、実際に記事を書いて結果を見ながら改善していく。この繰り返しが、SEOでは最も大切です。
ステップ5.優先順位をつけて最終決定する
最後に、集まったキーワード候補の中から「どれを優先的に狙うか」を決めます。
すべてのキーワードを一度に狙うのは現実的ではありません。時間も予算も人手も限られているからです。
優先順位をつける3つの軸
次の3つの軸で評価し、優先度を考えましょう。
- 検索ボリューム(需要): どれくらい検索されているか?
- 競合性(難易度): ライバルは強すぎないか?(勝てるか?)
- ビジネスとの適合性(重要度): 狙うキーワードで検索する人は、自社のサービスを利用するか?
特に重要なのが「ビジネス適合性」です。 どれだけ検索数が多く、競合が弱くても、自社のサービスにつながらないキーワードでは意味がありません。
たとえば、整体院を経営しているのに「肩こり 原因 論文」というキーワードを対策しても、学術情報を探している人が来るだけで、来院にはつながらないのです。
「成果に直結しやすいキーワード」から優先的に対策するのが鉄則です。
サイト全体で考える
優先順位が決まったら、「どのキーワードを、ホームページ内のどのページで対策するか」を決めていきます。 この作業を「キーワードマッピング(設計図)」と呼びます。
次のように、ページごとに役割を持たせて設計します。
- TOPページ:ミドルキーワード
- サービスページ:ロングテールキーワード
- ブログ記事:ロングテールキーワード(より具体的な悩み)
例:渋谷区にある整体院の場合
- 「渋谷 整体」(ミドルキーワード)→ TOPページ で狙う
- 「腰痛 整体 渋谷」(ロングテールキーワード) → 「腰痛治療の専門ページ(サービスページ)」で狙う
- 「ぎっくり腰 対処法」(ロングテールキーワード)→ 「お役立ちブログ記事」で狙う
【※重要※】後からキーワードの変更は要注意
「とりあえずホームページを作って、キーワードは後から考えよう」 「後からキーワードを変えればいい」 と考える方も多いのですが、実はキーワードの変更には次のような問題が起きる場合があります。
- サイト構造(カテゴリ分け)の根本的な作り直しが必要になる
- ページのURLが変わってしまい、それまでのGoogleからの評価がリセットされる
- 結果的に、時間とコスト(費用)が何倍もかかってしまう
特に新規のホームページ制作・リニューアルのタイミングは、最初の設計段階からキーワード戦略を組み込むことが数年後の成果を大きく左右します。
SEO対策を効率よく進めるためにも、キーワード選定はホームページ制作の最初の段階である程度は固めておくことをおすすめします。
5ステップのまとめ
ここまで解説した5つのステップを振り返りましょう。
- ゴールと目的を明確化する
→何のためにホームページを作るのか考える - ターゲットの検索行動を想像する
→ お客さまがどんな言葉で検索するか考える - キーワード候補を洗い出す
→ ツールを使って候補をたくさん集める - 検索ボリュームと競合性を分析する
→ 勝てそうなキーワードかどうか判断する - 優先順位をつけて最終決定する
→ どのキーワードから狙うか決める
ステップ1〜2は自分で考えるべき部分です。ステップ3〜5はツールで基本調査はできますが、ビジネス成果につながる判断には専門的な知見が必要かもしれません。不安がある場合は、専門業者に依頼することも検討してみるとよいでしょう。
次のセクションでは、選んだキーワードを実際にページに「どう配置するか」を解説します。
1ページに入れるキーワードの数は?【配置と使い方】

キーワードを決めたら、次は「どう使うか」が大切です。いくら良いキーワードでも、むやみに詰め込みすぎると逆効果。検索エンジンから不自然な文章と判断され、かえって順位が下がってしまうこともあります。
ここでは、1ページ内に入れるキーワードの数の目安や効果的な配置場所、そして注意すべき「やってはいけない使い方」まで、分かりやすく解説します。
狙うキーワード(メインキーワード)は1~2個まで
1ページで狙うメインキーワードは、基本的に「1~2個」に絞りましょう。これは「1ページ=1テーマ(1つの悩みへの回答)」というSEOの大原則に基づいています。
たとえば「渋谷 整体」というメインキーワードであれば、「渋谷エリアで整体を探している人」向けに統一した内容のページを作成します。
同じページ内で「肩こり専門整体」や「美容整体」など、目的や対象が異なる内容まで扱うと、検索エンジンの評価が分散してしまうのです。
関連キーワード(サブキーワード)は3~5個
メインキーワードを補足する形で、検索されやすい関連キーワードを3~5個ほど設定します。
サブキーワードはサービスページやブログ記事など、ページごとの目的に合わせて使い分けると効果的です。ページごとに狙うキーワードを明確に分けることで、テーマの重複を防ぎ、検索エンジンにも「専門性のある構成」として評価されやすくなります。
ページごとのキーワード例:渋谷にある整体院の場合
| ページの種類 | ページの内容イメージ | 狙うキーワード (メインキーワード) |
関連キーワード (サブキーワード) |
|---|---|---|---|
| TOPページ | 渋谷エリアで整体を探している人向け | 「渋谷 整体」 | 「整体 渋谷」、「整体院 渋谷」 |
| 腰痛治療専門ページ | 腰痛に悩む人向けの治療情報 | 「腰痛 整体 渋谷」 | 「腰痛治療」、「腰痛 根本治療」 |
| お役立ちブログ記事 | 急な腰痛への対処法やセルフケア | 「ぎっくり腰 対処法」 | 「自宅ケア」「ストレッチ」「予防法」 |
効果的な配置1.タイトルと見出し
ページ内で最も重要な場所は、タイトル(titleタグ)と見出し(h1・h2タグなど)です。
検索エンジンはページの内容を理解する際に、これらを特に重視しています。そのため、メインキーワードは必ずタイトルと見出しに含めるようにしましょう。
ただし、キーワードを詰め込みすぎず、自然な文章として読者にもわかりやすく書くことがポイントです。
効果的な配置2.本文
もちろん本文中にもキーワードを含めますが、数(出現率)を気にする必要はほとんどありません。
それよりも大切なのは、記事の「書き出し」と「まとめ」に、メインキーワードを自然な形で含めることです。記事の最初と最後に「この記事のテーマは〇〇です」と明確に示すことで、読者にも検索エンジンにも内容が伝わりやすくなります。
また、メインキーワードだけでなく、サブキーワードも本文全体に自然に散りばめていきましょう。
効果的な配置3.内部リンク
内部リンクとは「同じサイト内の別ページへのリンク」のことです。
ここでもキーワードを活かすことができます。リンクの文字(リンクテキスト)に関連キーワードやメインキーワードを入れることで、検索エンジンにページ同士の関連性を伝えやすくなります。
具体例を見てみましょう。
| 内部リンク例:腰痛治療ページ ⇄ お役立ちブログ記事 | |
| リンク元ページとメインキーワード | 腰痛治療専門ページ「腰痛 整体 渋谷」 |
|---|---|
| リンク先ページとメインキーワード | お役立ちブログ記事 「ぎっくり腰 対処法」 |
| リンクテキスト例 腰痛治療ページ→お役立ちブログ記事 |
|
| リンクテキスト例 お役立ちブログ記事→腰痛治療ページ |
|
ポイントは不自然にキーワードを詰め込まず、わかりやすさを最優先することです。
【注意】やってはいけない「キーワードの詰め込み」
キーワードはSEOにおいて重要ですが、無理に何度も詰め込むと逆効果になります。検索エンジンだけでなく、読者にとっても読みづらくなるため、注意が必要です。
以下のようなNG例に注意しましょう。
- 同じキーワードを1文の中で何度も繰り返す
- 不自然に文章にキーワードを押し込む
- 読者が理解しにくい文章になる
NG例:キーワードの詰め込み
「腰痛 整体 渋谷 腰痛 整体 渋谷 腰痛 整体 渋谷 当院では腰痛 整体 渋谷を行っています。腰痛 整体 渋谷で根本改善!」
→ キーワードを不自然に繰り返しており、読みづらく、SEO的にも評価が下がる可能性があります。
OK例:自然な文章
「渋谷で腰痛に悩む方は、当院の整体で根本から改善できます。」
→ 読者にわかりやすく、自然な文章でキーワードも適切に含まれています。
キーワードは自然に文章に溶け込ませることが基本です。読者が読みやすく、役立つ内容を書くことが、最終的にSEOにもプラスになります。
キーワードを選ぶときのよくある失敗と改善方法

キーワード選定でありがちな4つの失敗例と、それぞれの改善方法をわかりやすく解説します。
失敗例1|競合が強すぎるビッグキーワードばかり狙う
「ホームページ制作」「SEO対策」「リフォーム」といった、検索数が多いものを「ビッグキーワード」と呼びます。検索したくなるわかりやすい言葉ですが、これらのキーワードは大手企業や有名メディアが上位を独占している「激戦区」です。
いきなりこの激戦区で勝負しても、ライバルが強すぎて上位に表示されることはほぼありません。中小企業・個人事業主の方は、まず「勝てる土俵」である「ミドルキーワード」や「ロングテールキーワード」で戦いましょう。
キーワードを具体的に絞ることで、ライバルが少なくなり、検索結果の上位に表示されやすくなります。さらに、あなたのサービスを本当に必要としているお客さまにも届きやすくなるのです。
失敗例2|検索ボリュームの数字だけで判断してしまう
検索数が多いからといって必ずしも成果につながるわけではありません。大事なのは「あなたのサービスを本当に必要としている人が検索しているか」です。
数字の多さよりも「質」を重視しましょう。 たとえ検索数が「月間10回」しかなくても、それがあなたのビジネスに直結するキーワードであれば、1万回の検索数より価値があることも多いのです。
「検索数が多い=良いキーワード」ではない、と覚えておきましょう。
失敗例3|検索意図とコンテンツがズレている
SEOでは、検索者が求める情報に合った内容を提供することが大切です。選んだキーワードと、作るページ(記事)の内容がズレないように気を付けましょう。
例えば、「腰痛 整体 渋谷」と検索する人が知りたいのは「料金プラン」や「アクセス(地図)」「具体的な施術内容」といった内容です。
しかし、ページを開いたら「腰痛のメカニズムに関する専門的な解説」や「院長の治療への情熱」ばかりが長々と書かれているのでは、すぐにページを閉じられてしまいます。
検索する人が「知りたい答えが、ちゃんと書いてある!」と感じるページを作ることが大切です。
失敗例4|一度決めたら放置してしまう
キーワードの効果は時間とともに変わります。SEO対策は「作って終わり」ではありません。 お客さまのニーズや検索エンジンの評価基準、ライバル(競合)の状況は、常に変化しています。
3〜6ヶ月ごとなど、定期的に検索順位の変動を分析し、もし順位が下がってきているなら「情報が古くなっていないか?」「ライバルにもっと良い記事が出ていないか?」を調査してみましょう。
そして、必要に応じて記事の内容を修正・追加(リライト)していくことが、長期的に成果を出し続けるコツです。
キーワード選定に役立つ無料ツール3選
SEO初心者の方でも使いやすく、無料で(または一部無料で)使えるおすすめのキーワードツールを厳選して3つご紹介します。
ご自身でキーワード選定を行う際にお役立てください。
Googleキーワードプランナー【検索数を調べる】

Googleキーワードプランナーは、無料で検索ボリューム(月間検索数)を確認できる定番ツールです。
狙いたいキーワードがどれくらい検索されているか、競合の強さはどうかを把握できるため、「どのキーワードを優先して狙うべきか」の判断に役立ちます。
ラッコキーワード【関連語を一括取得】

ラッコキーワードは、サジェスト(関連検索語)を一括で取得できる無料ツールです。
1つのキーワードを入力するだけで、関連する検索語がズラッと表示されるため、記事タイトルや見出し構成の「アイデア出し」に非常に役立ちます。
Googleサジェスト・関連キーワード【今すぐ使える】
これはツールというより、「Googleの検索画面そのもの」を使う、最も手軽な方法です。

実際にGoogle検索するだけで、関連ニーズを探る最もシンプルな方法です。無料・登録不要で、誰でも今すぐ使えます。
ただし、検索ボリューム(検索数)や競合性はわかりません。あくまで「世の中ではこんな言葉も一緒に検索されているんだな」というヒントを得るために活用しましょう。
SEOキーワードの疑問【FAQ】

キーワード選定に関して、経営者さまやご担当者さまから特に多く寄せられる「具体的な疑問」について、Q&A形式でスッキリお答えします。
Q1.キーワードは「何個」くらい選べばいい?(1ページあたり / サイト全体)
1ページに入れるキーワードの数は?【配置と使い方】でも解説している通り、 1ページあたりはメインキーワード1~2個、関連キーワード3~5個が目安です。サイト全体では、サービスやコンテンツごとに必要なキーワードを積み重ねる形で、総数はコンテンツ量に応じて増やしていきます。
Q2.キーワード対策の「費用」はいくらかかる?
無料でもできます。キーワード選定そのものにお金はかかりません。
この記事で紹介した無料ツール(Googleキーワードプランナー、ラッコキーワードなど)を使えば、自分でキーワードを調べて選ぶことができます。
外部ツールの有料版やSEOコンサルを利用する場合は、費用がかかります。
有料ツールなら月額5,000円〜2万円程度、SEOコンサルに依頼する場合は月額3万円〜20万円程度、HP制作会社にSEO込みで依頼するなら30万円〜100万円以上が相場です。
ただし、これはあくまで目安で、サービス内容によって変わります。
「お金をかけるべきか?」は、次のように考えてみましょう。
- 時間に余裕がある → まずは自分でやってみる
- 早く成果を出したい → プロに相談する
- HP制作・リニューアルのタイミング → 最初からプロに相談したほうが効率的
「予算を考えたら自分でSEO対策をしたいけど、専門知識がなくて不安」という方は、キーワード選定などのSEOの初期設定をプロが代行するあきばれホームページのようなサービスをおすすめします。基本設定をプロに任せることで、集客の仕組みが整った状態から運用をスタートできます。その後は、自分のペースで記事を増やしていけるので、「自分で育てるホームページ」を目指す方にもぴったりです。
Q3.「ツール」は無料のもので十分?
はい。キーワードの「候補洗い出し」や「検索数の目安調査」といった初期段階では、ご紹介した無料ツールで十分です。
大量のデータや精密な分析が必要な場合は、有料ツールを併用したほうが効率が上がります。
Q4.AIが進化したら、キーワード選定は不要になる?
いいえ、キーワード選定はむしろさらに重要となると考えます。AI検索が普及しても、ユーザーの検索意図を理解し、それに沿ったコンテンツを作ることが必要です。
なぜなら、GoogleのAI検索(SGE)やChatGPTも、元を辿れば「ユーザーが打ち込んだ質問」に対して、「インターネット上のどのサイト」が最適な答えになるかを探して要約しているからです。
AIに「信頼できる回答元」として選ばれるサイトにするためには、これまで以上に「このページは、誰のどんな悩みに答えているのか」を明確にする戦略としての「キーワード選定」が不可欠になります。
SEOキーワード選定はHP成功の第一歩【まとめ】
ここまで、SEOキーワード選定の基本について解説してきました。
キーワード選定は、SEO成功の8割を決める重要なステップです。とはいえ、最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは、この記事でお伝えしたステップを参考に、以下の「小さな一歩」から始めてみましょう。
- 自社の強みとお客さまの悩みを整理する
- 無料ツールでキーワード候補を集めてみる
- 実際にGoogleで検索して競合を確認する
そして、実際に記事を書いて、結果を見ながら改善していく。この繰り返しが、SEOでは最も大切です。
キーワード選定も、一度やったら終わりではありません。お客さまのニーズも、検索エンジンの評価基準も、常に変化しています。定期的に見直しながら、少しずつ改善していきましょう。
キーワード選定を「自分でやる」「プロに相談する」どちらを選ぶにしても、まずはこの記事で学んだ基本を活かして、一歩踏み出してみてください。
この記事が、あなたのホームページ制作やSEO対策の第一歩として役立てば幸いです。





