紹介営業をより効果的にする方法
紹介営業は、ご存じの通り、士業の有力かつ効果的な営業手段です。
紹介営業には、大きくわけて2つのパターンがあります。
1つは、「既存のお客様からの紹介」。もう1つが「知り合いからの紹介」です。
理想は、「既存のお客様からの紹介」で、すべて受任できること。これなら、集客コストがかかりません。また、既存のお客様からの紹介なので、基本的には、お客様対応で悩むこともないでしょう。お客様の質が良いのも、「既存のお客様からの紹介」で仕事を受任するメリットの1つです。
ただ実際には、お客様の輪がもっとも広がりやすいのは、既存のお客様からの紹介ではありません。
もう1つのパターン、「知り合いなどからの紹介」の方が多いはずです。なぜなら、士業の業務は発生時期が不確定だからです。そのため、確率的に「知り合い」からの紹介の数が「既存のお客様」からのものより多くなります。
知り合いからの紹介は、既存のお客様からの紹介よりも、少し厄介です。自分が業務を行ったわけではない知り合いからのため、既存のお客様からの紹介よりも、関係性は希薄です。そのため、紹介のしかたも、紹介される側の意識も、比較的ゆるめ。
この記事では、そうした知り合いなどからの「ゆるい紹介」を、より効果的にするための「紹介営業」のコツについて、お話ししたいと思います。
紹介されたからといって、「受任」できるとは限らない
紹介のしかたが「ゆるい」ということは、される側の意識もゆるく、「紹介されたからと言って、必ずしも頼む必要はない」という感覚であることが多いです。そのため、「受注・受任」につながることが、「既存のお客様からの紹介」に比べると少ないです。
これは、そうしたものと割り切って紹介を受ける必要があります。何が何でも受任・受注につなげようとすると、相手は尻込みしてしまいます。また、「いいお客さんを紹介してね」と紹介してくれる側にプレッシャーをかけてしまうと、紹介の数自体が減ってしまいます。
最終的に受任につながらなかったとしても、紹介さえあれば、仕事になる可能性はゼロではありません。しかし、紹介すらされなかったら、仕事になる可能性はゼロです。ですから、紹介の数を減らさないように気を付けましょう。
紹介された人には、会ってみないと始まらない
紹介営業は見合いのようなもので、まずはお客様になる可能性がある人と、会ってみないと何も始まりません。すべてが業務につながるわけではないですが、未来の業務につながる可能性はあります。
ですから、どの方面からの紹介も、断らずに会ってみましょう。とくに独立したばかりのときは、たくさんの人に会うことが大切です。多くの場数を踏んで、経験を重ねましょう。
「業務につながらないなら会わない」ではなく、「たとえ業務につながらなくても会う」という姿勢が大切です。
紹介ツールを作る
ゆるい紹介をより多く獲得するには、紹介しやすい環境を作る必要があります。
そのために、紹介ツールを活用するのがおすすめです。名刺や事務所案内、ホームページなど、「この先生よさそうだから、ちをっと見てみたら?」と言えるようなツールを用意しておきましょう。
先生個人を直接紹介するよりも、まずは紹介ツールだけ紹介する形の方が、紹介する側も気軽です。
紹介される側も、実際に先生に依頼するかどうかは、紹介ツールを見た上で判断できるので、「先生を断ったら、関係が悪くなるかも・・・」というような危惧を抱かずに済みます。
紹介が気安くできるので、紹介件数も自然と増えるはずです。
紹介してくれた人には必ずお礼を
紹介してくださった方には、必ずお礼をしましょう。紹介者も人間ですから、感謝されれば気持ちが良いものです。先生に対しての印象も良くなります。そうすれば、「また紹介しよう」という気持ちにもなってくれます。
ここで大切なのは、たとえ受任・受注にいたらなかったとしても、必ずお礼をすることです。ご縁をいただいたことに感謝することが大切です。そうした感謝の気持ちの積み重ねが、将来の「紹介」件数を大きく左右します。
この記事のまとめ
- 紹介された業務を、必ず受任できると思わない!
- 紹介されたら、まずは会ってみましょう
- 紹介ツールを活用して、紹介しやすい環境を作りましょう
- 紹介してくれた人には、受任につながらなかったとしても、必ず「お礼」を!