紹介営業 4つの落とし穴
先生は、紹介営業だけを頼りにしていませんか? 士業にとって、紹介営業はとても優秀な集客手段です。
お客様がお客様を呼んでくれるため、広告費もかからず成約率も高い、コストパフォーマンスの良い、一見いいこと尽くしの集客方法。
ですが、紹介営業には、どうしても限界があります。紹介営業のみを頼りにして受け身の姿勢でいると、いつか行き詰まってしまいます。
そこでこの記事では、紹介営業の問題点をピックアップ。紹介営業の落とし穴に陥らないために、問題点をしっかり把握して、上手に紹介営業を活用していきましょう!
紹介してくれる人が仲が良いのは、あなただけじゃない!
一般的に紹介は、「発生」ベースです。身近で何か問題が起きたときに、「たまたま」知っている士業の先生を紹介するのが普通。でも、まれに人と人をつなげるのが好きな人もいます。そういう人は、コンスタントに人を紹介してくれる、とてもありがたい存在です。
ですが、そうしたコンスタントに紹介してくれる人の「知り合いの士業の先生」は、あなただけではないケースがとても多いのはご存じでしょうか?
紹介をコンスタントにしてくれる人は、基本的に顔が広く、同業の先生を多く知っています。紹介できる案件が発生したときに、必ず「あなた」に紹介してくれるとは限りません。
つまり、ただ待っているだけの受け身では、紹介営業はそのうち行き詰ってしまうのです。コンスタントに紹介をしてくれる人も、あなたより良いと思う士業の先生を見つけたら、そちらに人を紹介してしまいます。そうすると、あなたは重要な集客経路を1つ失うことに……。
そうならないために、紹介してくれる人にとって、あなたが常に魅力的であることが必要です。あなたを「紹介したい」と思う理由を作ること、「信頼できる先生」と思ってもらうこと、を心がけましょう。
紹介で受任できる数は、時期によって波がある!
すでにご存じの通り、紹介営業は発生ベース。薄々感じておられるかもしませんが、紹介営業は発生するタイミングが読めません。
確定申告など、時期が限られる業務はある程度想定はできますが、相続税などの突発的な業務は、まったくもって予測がつきません。集客経路として、あてにし過ぎていると、「今月は全くお客様がいない!」という状態になりかねないのです。時期が想定できない業務はあてにせず、事業計画を立てましょう。
また、確定申告などの業務は、ある程度想定できたとしても、紹介の時期が重なってしまうのが難しいところ。せっかく紹介をもらっても、すべての業務を受け付けられず、お断わりしなければいけないケースもあります。
そうなるとどうなるでしょうか? 紹介した側は、正直あまり気持ちよくはありません。次に先生へ紹介しようという気をなくしてしまうかも……。そうなると、断った業務だけでなく、これから先紹介されるはずだった未来の業務までも失ってしまうことに。その損失は計り知れません。
そうならないために、繁忙期は予測をつけて、十分な余暇をもっておきましょう。業務が重なっても、繁忙期前には受け入れられる態勢を整えておくのが、紹介営業を失わないポイントです。
紹介する側にとって、紹介するのはハードルが高い!
紹介する側にとって、先生を紹介するというのは、責任重大です。人に紹介するのには、とても勇気がいります。とくに、あまりよく知らない人を知り合いに紹介するのは、ハードルが高いです。「ちょっと知っている」だけの関係では、なかなか紹介を受けることはできません。
ではどうしたら良いのでしょう?
たとえば、自分が、誰かに「おすすめ」を紹介することを思い浮かべてみてください。自分の好きなことは、とても紹介しやすくないでしょうか? でも、先生が「あまり知らない商品」「縁もゆかりもない商品」を紹介してと言われたらどうでしょう? どのように紹介すれば良いのか、どう説明したら良いのか、分からなくなってしまうのではないでしょうか?
紹介営業にも同じことが言えます。紹介する側が、先生という「商品」のことをよく知っていれば、紹介しやすくなります。信頼関係がきちんと築けていれば、紹介するハードルも下がります。だからこそ、先生自身を説明する資料を作っておきましょう。
名刺、カタログ、ホームページ、形状は何でも構いません。あなたがどんな人なのか、どんな想いをもっているのか、どんな業務を取り扱っているのか、それらを伝えるツールを用意しておきましょう。そうすれば紹介する側も、「この先生はこういう人なんだけど・・・・・・」と、カタログやホームページを紹介する人に見せるだけで、紹介ができます。
一気に紹介のハードルが下がっているのをお分かりいただけるでしょうか? 圧倒的に紹介しやすくなるので、紹介営業も舞い込みやすくなります。ぜひお試しください。
「できない」「不得意」な業務も紹介されてしまう!
一般の人は、士業の先生なら「なんでもできる」と思っていることが多いです。専門分野や得意分野があることを知らず、なんでもかんでも紹介してきてしまうことがあります。
でも実際には、「専門分野」「得意分野」があるはずです。専門的にとある業務に取り組まれている場合は、「できない」業務もあるのではないでしょうか?
でも、紹介されてから、「ちょっとこの分野は不得意なので・・・・・・」と断るのは勇気がいります。紹介した側に「なんだ、こんなこともできないのか」と思われる可能性もあり、信用がなくなってしまうことも。
そうならないように、「こういう人がいたら紹介してください」「こういう悩みに私は強いです」など、紹介をお願いするときには、自分の専門分野を先に伝えておくようにしましょう。「これはできません」と言うより、「この分野が得意です」と伝えた方が、信用面からみてもベターです。
また、人に伝えることは、自分の業務分野や強みを再確認することにもつながります。先生は一体「何の専門なのか」、明確にしておくようにしましょう。
この記事のまとめ
- 紹介してくれる人は、必ずしもあなたに仕事をくれるとは限らない!
- 紹介で受任できる数は、時期によって波がある! 受け入れ態勢を整えよう!
- 紹介の機会を逃さないために、「紹介ツール」の用意は必須!
- 自分の専門分野を明確に伝えておく!