ちゃんとわかってる?メリットとベネフィットの意味・使い方の違い

マーケティングやビジネス、ホームページ作成関連のネット記事で見かける「メリット」と「ベネフィット」という言葉。
この2つの意味や使い方の違いはきちんと理解できていますか?
なんとなく意味を理解して、なんとなくで使っている人もいるでしょう。
確かにどちらも似たような使い方をされますが、明確な意味の違いがあるのです!
今回は「メリット」と「ベネフィット」の意味と使い方の違いについて解説します。
対義語で考える「メリット」「ベネフィット」

「2つの意味の違いは何ですか?」と聞かれてすぐに思いつけない人であれば、これらの対義語を考えるとわかりやすいです。
一見同じような言葉であっても対義語を見るとまったく意味が違う場合が多いため、意味の違いの理解を助けてくれます。
メリットの対義語:デメリット

「メリット」の対義語は誰でも一度は聞いたことがある「デメリット」です。
日本語に訳すと「利点(メリット)」と「欠点(デメリット)」になります。
メリットがその事柄について肯定的に評価される面であり、デメリットは反対の否定的に評価される面ということ。
例えばダイエット商品として青汁を販売しているとすれば、メリットは低カロリーであること、そしてデメリットは味が苦いことなどが挙げられます。
「メリット」が1だとすると「デメリット」は0です。
味は苦くても我慢すればメリットが得られますし、味が苦いことは人の好みの問題でもありますよね。
ベネフィットの対義語:ロス

「ベネフィット」つまり日本語で「利益」という意味ですが、その対義語は「ロス(loss)」や「ダメージ(damage)」など複数あります。
ビジネスの場面で使うなら対義語は「ロス」(日本語で「損失」)が合っているでしょう。
先ほどと同じく青汁を販売していると仮定すると、ベネフィットは低カロリーなので置き換えダイエットで減量できること、そしてロスはお腹を壊してしまうかもしれないことなどが挙げられます。
ここでは「ベネフィット」を1だとすると「ロス」はマイナスに!
お客様は痩せられるという利益を得るかもしれませんが、同時にお腹を壊すという不運(損失)があるかもしれないからです。
対義語で考えてみると「メリット」と「ベネフィット」の違いが見えてきたと思います。
さらにもっと詳しく、具体的にこれらの違いを解説していきましょう。
商品の売りや特徴、利点がメリット

メリットとは、一言で表すと「商品の売り」「商品の特徴」です。
その商品の評価されるべき点(利点)がメリットになります。
ちなみに、メリットには機能的価値と感情的価値があります。
ノートパソコンで考えると、持ち運びに便利、データのデジタル化といった機能的価値と、さらにPCブランドのWindowsやMacを選ぶことによる「かっこいい」「スタイリッシュ」といった感情的価値もあります。
自社商品やサービスで挙げられるメリットは機能的価値と感情的価値の両方があることを覚えておくといいですね。
さらに具体例として、個室居酒屋でタブレット端末で注文できるお店のメリットを考えてみましょう。
・すべての席が個室になっている
・タブレット端末でメニューが見れる
・タブレット端末で注文できる
・店員が部屋まで料理を持ってきてくれる
これは機能的価値だけですが、ここからさらに焼き鳥で有名なお店だとか、地元民しか知らない隠れ屋的居酒屋といった希少性・ブランド性が加わることで感情的価値も追加されます。
このメリットを見ただけで「便利なお店だな」と思う人は多いでしょう。
しかし一方で「だから何?」と思う人もいます。
この情報だけでは「そのお店に行きたい!」ということにはなりませんよね。
お客様が手にする変化、利益がベネフィット

高品質な材料を使っているとか、耐久性に優れているとか、サービス対応が素早いといった「商品そのものの評価されるべき点」はメリットと解説しました。
多くの人はお客様にメリットばかり伝えようとしがちです。
しかし、お客様がメリットを知ったからといって商品やサービスを購入してくれるとは限りません。
人は意外と他人に対する評価なんてどうでもいいもので、それよりも自分への評価を気にする傾向があります。
つまり、その商品を手にしてお客様がどう変わるのか、何が得られるのがが一番の関心ごとなのです。
この商品を使ってどういった良い変化があるのか、どんな利益があるのかを表す言葉が「ベネフィット」になります。
先ほどと同じく個室居酒屋でタブレット端末で注文できるお店を例にして、ベネフィットを考えてみましょう。
・人の目を気にせずゆっくりくつろげる
・子供連れでも大騒ぎする声で周りの目を気にしないでいい
・大切な人と二人きりの空間でじっくり話せる
・慣れた操作でメニューが探しやすい
・カテゴリー分けがわかりやすく目的のメニューを見つけやすい
・注文するたびに店員を呼ばなくていいので楽
・追加注文も気軽にできる
これらのベネフィットを見てみると、自分がいつ、どんな場面でこのお店を選ぶべきなのかがわかりやすいですよね。
そしてそのお店に行ったとき、自分はどんなふうに過ごすのかというイメージもつきやすくなります。
この頭に浮かぶイメージがお客様の「行きたい」や「買いたい」を引き出すきっかけに。
人はメリットを見たとき、瞬時に頭の中でそこから得られるベネフィットを検索します。
ほとんどの場合あまり考える必要もなく、いくつかのベネフィットは思いつくのですが、それだけでお客様を動かすのは難しいでしょう。
なぜなら自分では思いつかないベネフィットもありますし、何よりもイメージしにくいためです。
だからこそ、お客様が文章を読んでイメージできるようなベネフィットを伝えることがとても大切になります。
感情的価値で得られるベネフィットとは

前項でメリットには機能的価値と感情的価値があることがわかりました。
その中でも感情的価値とベネフィットの関係についてより深く掘り下げていきましょう。
個室居酒屋が隠れた名店である場合、感情的価値には「おしゃれ」や「かっこいい」と行ったメリットが挙げられると思います。
おしゃれでかっこいい場所に行きたいと思っている人が多いため、感情的価値だけでお客様の「行きたい」を引き出せるのではと思った人も多いでしょう。
しかし、お客様が本当に求めているのは「おしゃれでかっこいい居酒屋」なのではありません!
本当は「おしゃれでかっこいい居酒屋に彼女を連れて行く自分」や「おしゃれでかっこいい居酒屋で飲み食いする自分」を求めているのです。
先ほども解説したように、人は他人に対する評価(この場合、居酒屋の評価)なんてほとんど気にしていません。
自分に対する評価(自分はおしゃれでかっこいい)が何よりも大事です。
つまり、おしゃれでかっこいい居酒屋という感情的価値(メリット)から得られるベネフィットは「おしゃれでかっこいい自分を演出できる」とか「感情が高まる、気分が良い」といったもの。
この感情的価値からもベネフィットを生み出し、文章にすることでよりお客様を惹きつけやすくなるでしょう。
メリットとベネフィットの意味・使い方の違いまとめ

「メリット」と「ベネフィット」の違いを解説してきました。
まず「メリット(利点)」の対義語は「デメリット(欠点)」そして「ベネフィット(利益)」の対義語は「ロス(損失)」と考えてみると、その違いがわかりやすくなりますよね。
メリットは商品やサービスの売りや特徴など評価される面。
しかし、メリットを説明されただけではイメージしにくいため、お客様の「買いたい」を引き出すことは難しいです。
メリットには機能的価値と感情的価値があるということも一緒に覚えておきましょう。
一方でベネフィットは、その商品のメリットによってもたらされる良い変化やお客様にとっての利益。
お客様が「これを使ったら自分はこうなれる」とイメージしやすいため、ベネフィットが引き金となってお客様を行動させてくれます。
メリットがあってこそベネフィットが輝くのです。
この2つの違いをしっかり理解して、効果的に使い分けてくださいね。