これまで、ホームページを使って高い収益を上げてきた中小企業の事例を紹介してきたわけだが、さて、それらの企業に共通していることは何だったか、おさらいしてみよう。
彼らは、
- 「手づくりの」ビジネスブログ型ホームページを利用
- 「営業マンが普段お客さんに話していること」を情報として掲載
- 「自社で随時情報更新」して、見込み客を集客
では、そのお客さんたちに、実際どのようにして商品を購入してもらっているのだろうか。また、決済はどのように行なっているのだろうか。
「3,000円、200人に1人」の”法則”
実店舗で売上げが上がっている企業の社長さんから、「ホームページで自社商品を販促したい」という相談を受ける際、多くが月商100万円を目標にしたいという。
しかし、商材にもよるが、実際にホームページで100万円売るのはなかなかどうして大変なものだ。
そもそもあなただって、初めて閲覧したホームページで販売している高額商品を見てどんなに気に入ったとしても、すぐに買おうと思うだろうか。
まず、「騙されたらどうしよう」と思って躊躇するだろう。
私の会社での経験則だが、平均すると、3,000円の商品に対し200人のアクセスがあったとして申し込みが1人。1万円を超えると1,000人に1人くらいの申し込み、10万円の商品ともなると、申し込みは限りなく0に近くなってしまう。
もちろんホームページの作りや商品の魅力によってこの数値は上下するのだが、平均的にはこんなものだと思う。
次に問題になるのが、ホームページのアクセス数だ。
これもホームページの魅力によって上下するが、一般的な中小企業の場合、平均すると1日のアクセス数は50件くらいである。
これらに基づいて1ヵ月の売り上げを試算すると、次のようになる。
100万円がいかに高い目標か、よくおわかりいただけるだろう。
ホームページで結婚指輪の売り上げ約2倍!
ところが一方で、ホームページで何万円もする結婚指輪を昨年の2倍近く売り上げている宝石店(東京・中央区)があるのも事実だ。
同社は何万円もする結婚指輪を取り扱っているのだが、昨年の11月にホームページを公開したところ、今年1~3月の売り上げが対前年度比197%と、約2倍にアップしたという。
なぜこの不景気にもかかわらず、こんな成果が出たのだろうか?
同社のホームページを見ていただきたい。
じつは同社は、ホームページでの直接販売にはあまり力を入れていないのだ。
たしかに通信販売のページもあるが、それほど通販に力を入れているわけではなく、むしろお客さんの店舗への誘導に力を入れている。
たとえば、「オーダー結婚指輪 ご注文から完成まで」のページや、「ショールーム」のページを通じて来店を促しているのだ。加えて、「来店予約」のページを設定することで、さらに来店誘導を強化している。
ほかにも、結婚指輪の製造法を詳しく説明したり、購入してくれたお客さんの写真を掲載することで、お店の信頼感を高めている。
また人気のデザインや、オーダーメイドのデザインをホームページに公開することで、お客さんの購買意欲を高めることもできる。
こうしたホームページの内容の工夫によって、アクセスした人の中から、店頭に足を運んでくれる人がたくさん出てくるのだ。
しかもホームページを見て来店した人のうち、じつに9割以上の人が結婚指輪を購入してくれるそうである。
ネットは商品を売るより、来店促進に使え!
要するに、ホームページで直接商品を売って、ネット決済をさせることは、見込み客の心理的な壁があるため、ネット通販を始めたばかりの企業や高額な商品を扱う企業の場合、なかなか成果が出ないケースが多いのだ。
それよりも、ホームページは店頭にお客さんを誘導するためのツールとして活用したほうが効率がよい。
お客さんの興味を引きそうな情報をホームページに掲載した上で来店を呼びかけるのだ。
お客さんが興味を持ってくれればたくさんの人が店頭に足を運んでくれるし、実際に購入してくれる確率も高いことが実証されている。
先ほどの例のように、1ヵ月の売り上げが2万円そこそこになる事態もありうるため、ネット上で決済を行なう仕組みを考える前に、ホームページを使って実店舗にお客さんを誘導し、対面で商品を売る機会を増やす、というおカネの流れを考えてみてほしい。
また、当社の提供するホームページ作成サービスは、制作実績8500社超のノウハウに基づいて、「店頭にお客さんを誘導するためのツール」として開発されています。興味をお持ちの方はぜひホームページ作成サービス、あきばれホームページをご検討ください。
(この記事は、ダイヤモンド・オンラインへ寄稿したものです。)