「ホームページ作成検定試験」ってどんな資格?【詳細解説】
世界的なコロナの感染拡大が始まって以降、消費者の生活意識や行動は大きく変化し、それに伴って企業活動におけるホームページの在り方もこれまで以上に重要になってきました。
そうした中、ホームページの作成能力を身につけたいと考える人たちが増えています。
ホームページ作成スキルを磨いてビジネスに役立てたい方、あるいはWebデザイナーとしての技術を学んで就職に役立てたいという方など、その目的はさまざま。そこで注目を増しているのがホームページ作成に関連する資格です。
現在こうした資格はいくつかありますが、今回はそうした資格のひとつ「ホームページ作成検定試験」について詳しく解説していきます。検定内容や資格取得のメリットなども併せてご紹介しますので、「ホームページ作成検定試験」の受験を検討している方はぜひ最後までお読み頂いて参考にしてください。
「ホームページ作成検定試験」の基本情報
「ホームページ作成検定試験」は、日本情報処理検定協会が主催している検定試験です。
パソコンを使ってホームページを作成する力を身につけ、情報化社会のなかでコンピュータの活用能力を向上させることを目的としています。
合格するためには、公式の問題集や、市販のホームページ作成に関する書籍を活用することがおすすめ。また過去問題をホームページからダウンロードして学ぶこともできます。
検定は4つのレベルに分かれていますので、ホームページ作成に関して初心者レベルの方でもチャレンジすることができます。ただし、試験時間が20〜30分と短いため、素早く正確にタイピングできる能力は必須。検定試験にチャレンジする前には、実際に簡単なホームページを作成して実力を付けておきましょう。
「ホームページ作成検定試験」の受験者数・合格率
受験者数、合格率、共に非公開となっています。
「ホームページ作成検定試験」の難易度
日本情報処理検定協会のホームページに公開されている過去問題を見ると、他のホームページ作成資格に比べて難易度は易しめ。既に自分でHTMLを打ち込んでホームページを作成できる能力がある人は、短期間の勉強時間でも合格することができるでしょう。
「ホームページ作成検定試験」の勉強法
まずは日本情報処理検定協会のホームページに公開されている過去問題を見てどのような内容が出題されているのか確認しましょう。公式の模擬問題集が発売されていますので、必要に応じて購入するのもおすすめ。独学で学ぶ場合は、HTMLやCSSを学べる参考書を購入して、実際にホームページを作成して学習を深めましょう。
「ホームページ作成検定試験」各級の出題内容と試験時間は?
「ホームページ作成検定試験」は、4級、3級、2級、1級の4つのレベルに分かれています。下記にそれぞれの試験の出題内容と試験時間をまとめましたので確認してください。
階級 | テーマ | 内容 | 試験時間 |
---|---|---|---|
4級 | 基礎的なHTMLを使用して、ホームページを作成 | タイトル、文字、水平線、背景、画像、表、リンク、ファイルの保存に関する内容 | 20分 |
3級 | 用意されたスタイルシートを利用して、ホームページを作成 | タイトル、文字、水平線、画像、表、見出し、リスト、リンク、スタイルシートのリンク、ファイルの保存に関する内容 | 30分 |
2級 | スタイルシートを作成して、デザインを意識したホームページを作成 | 3級基準を含む、リンク、スタイルシートの作成に関する内容 | 30分 |
1級 | 多様な設定をしたスタイルシートを作成して、総合的なデザインを意識したホームページを作成 | 2級基準を含む、画像、リンク、フォーム、外部ファイルの利用、ID・クラスに関する内容 | 30分 |
階級が上がるにつれて、使用するファイルの数は増えていきます。4級の試験時間は20分、3級以上は30分と短いので、正確な回答を素早く入力しなければなりません。焦らず落ち着いて回答し、最後に回答内容を確認する時間を作りましょう。
「ホームページ作成検定試験」の採点の基準は?
「ホームページ作成検定試験」は、減点法で採点されます。指定されている保存ファイル名を間違えてしまうと、10点減点されてしまうので特に注意が必要です。出題内容の通りのレイアウトやファイル名となっているか、最後に必ず確認するようにしましょう。
<合格基準>
試験時間内に処理条件のとおり処理が完成し、指定フォルダー内に保存されたものを100点満点とし、減点基準により採点し、80点以上の答案を合格とします。
「ホームページ作成検定試験」の採点方法
減点基準により減点法にて採点する。(0点以下は0点とします)
「ホームページ作成検定試験」の減点基準
階級によって減点される内容は異なりますが、いずれの階級においても共通して減点される内容は以下となります。特に注意したいのが、指定フォルダー内にページが保存されていないというミス。0点となり不合格となってしまいます。レイアウトのミスは、1ファイル10点減点となります。
作成能力があっても、焦って回答してしまうと減点に繋がりやすいので、最後によく見直すようにしましょう。
<「ホームページ作成検定試験」の共通の減点基準について>
タイトル
- パソコンに表示されたページタイトルの文字を1つ誤る毎に2点減点。
- パソコンに表示されたページタイトルが1つ未処理となる毎に10点減点。
文字
- パソコンに表示された改行を含め、文字や記号の入力を1つ誤る毎に2点減点。
水平線
- パソコンに表示された区切り線(水平線)の挿入を1つ誤る毎に2点減点。
画像
- パソコンに表示された画像の挿入を1つ誤る毎に5点減点。
表
- パソコンに表示された表の作成を1つ誤る毎に5点減点。
- パソコンに表示された表の枠設定を1つ誤る毎に2点減点。
リンク
- パソコンに表示されたページ間を1つ誤る毎に5点減点。
ファイルの保存
- パソコンに表示された保存ファイル名を誤ると10点減点。
「ホームページ作成検定試験」を受験するメリットとは?
プロのWebデザイナーでも資格を取得していない人は大勢います。ホームページを作成するために資格が必要ではないからです。それでも検定試験を受けて、資格を取得するメリットとは何なのでしょうか。それらのメリットを具体的にご紹介していきましょう。
1)Webに関する知識やデザインに関するスキルをアピールできる
転職を含め就職活動などでは、履歴書や面接でWebやデザインに関するスキルを求められる場合があります。「ホームページ作成検定試験」の資格を保持しておくことで、ホームページ作成に関する知識やレベルを明確にすることができます。就職希望者の知識量やスキルのレベル感を、資格の有無を参考に判断している企業では、業務に関する資格を所持していればアピールすることができるでしょう。
(※1級を習得すれば必ず有利になるというほどのものではありません。)
また、ホームページ作成検定が直接関係しない業種の場合も、履歴書の資格欄に記載することで自己アピールにも繋がります。
2)HP作成に関するスキルが身につきキャリアアップにつながる
キャリアアップと聞くと転職などのイメージが強いですが、自身のキャリアの強化や知識を広げることもキャリアアップにつながります。
「ホームページ作成検定試験」ではホームページ作成能力を身に付けることを目的としていますが、資格の取得後は実際に業務に能力を活かしていくことで、キャリアアップを図ることができます。
例えば「ホームページ作成検定試験」により身に付けた知識をもとに、自社のホームページのデザイン案を提案したり、実際にホームページを作成することで、スキルの向上にもつながります。
3)工業高校の生徒は表彰の対象になる
日本情報処理検定協会の各検定試験は、社団法人全国工業高等学校長協会のジュニアマイスター顕彰制度対象資格として認められています。ジュニアマイスター顕彰制度とは、工業高校の生徒に対し、取得した資格や競技会の成績などに点数をつけ、その合計点により全国工業高等学校長協会が表彰する制度です。
たとえば20点以上の場合は「ジュニアマイスターブロンズ」の称号が授与され、得点が45点以上になると「ジュニアマイスターゴールド」の称号が授与されます。工業高校の生徒にとってチャレンジする価値が高いといえるでしょう。
他にもあるホームページ制作に関連する資格・検定
ホームページの作成に関連する資格・検定は、「ホームページ作成検定試験」以外にもいくつかあります。Webデザインに関する知識を高めていけば、見た目の良いホームページを作れるだけでなく、サイトの目的やコンセプトに沿ったデザインを作成できるようになります。
制作実績が重要視されるWebデザインの業界では、必須とされる資格はありません。しかし、未経験からWebデザイナーを目指す人にとって、資格取得は基礎的な知識を押さえるときの指標になり、就職などにおいてアピールできるので、下記のような資格も積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「ウェブデザイン技能検定」(国家資格)
ウェブデザイン技能検定は、国家検定制度である技能検定制度のひとつとして、厚生労働省の指定を受けて実施しています。3級の難易度は低く、実務経験のない人でも受験することができますが、2級や1級は実務経験が必須。特に1級の難易度は高いといわれています。
◆等級 3級~1級
◆出題形式 学科および実技
◆受験料(非課税)
3級…学科:5,000円、実技:5,000円(35歳以上)/3,000円(35歳未満)
2級…学科:6,000円、実技:12,500円(35歳以上)/7,000円(35歳未満)
1級…学科:7,000円、実技(またはペーパー実技含む):25,000円
※平成29年度第3回試験より、試験実施年度の4月1日において35歳未満の方は実技試験の受検手数料が減免となります。
・学科・実技共に免除(両側免除)、または1級実技免除にて申請をされる場合、手数料は2,000円。
◆合格率 1級:学科47.1%/実技66.7%、2級:59.6%、3級:69.4%
※2020年度参照
「Webクリエイター能力認定試験」
サーティファイWeb利用・技術認定委員会が主催の資格で、Webサイトを作成するために必要なコーディングの能力や、基本的なデザインの能力が求められる試験です。
受験資格は無く、未経験者でも受験することができます。世界標準に対応した初めての試験ともいわれており、世界的な標準化を図るW3Cに完全に準拠したスキルが測定されます。
※W3Cとは「World Wide Web Consortium」の略称で、Web技術の標準化を行う非営利団体の名称。
◆等級 スタンダード(初級)、エキスパート(上級)
◆出題形式 知識問題および実技問題
◆受験料(税込)
スタンダード…7,500円
エキスパート…5,900円
◆合格率 91.4%(※2020年度平均合格率)
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
「Webデザイナー検定」
Webデザイナー検定は、公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施している検定試験です。WebプロデューサーやWebディレクター、Webデザイナー、Webプログラマーという、制作・開発のプロとして職務についている能力と、ビジネスベースでWebに関わる人々向けにWebの標準的知識を認定する資格です。
コンセプトメイキングなどの準備段階から、Webページデザインなどの実作業、テストや評価、運用まで、Webデザインに必要な多様な知識を測ります。
基礎知識を問うベーシックと、専門知識を問うエキスパートがあり、エキスパートを取得すれば、Webデザイン業界の技術や作業の全体の流れを把握して実務に役立てることも可能。
◆等級 ベーシック、エキスパート
◆出題形式 マークシート
◆受験料(税込)
ベーシック…5,600円
エキスパート… 6,700円
◆合格率 スタンダード 71.9%、エキスパート 53.6%
※2021年度後期参照
https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/web/index.html
「ホームページ作成検定試験」ってどんな資格?【詳細解説】まとめ
本記事では注目の高まっているホームページ作成関連する資格・検定について詳しく解説しましたがいかがでしたでしょうか。
「ホームページ作成検定試験」は、初心者でも受験できる検定試験です。これからホームページ制作に関連するスキルを高めたいという方には特にお勧めです。難易度はあまり高くないため、ホームページ作りの勉強を始めてみようという方にとっては学習意欲を高めるきっかけにもなるでしょう。
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